給付金をきっかけに……全然してない価値観の見直し (2016~2020年ダイジェスト)

 

 

諦めてアルバイト

そして本当に貯金が尽きて「これ以上はどうしようもない」となったとき、
仕方なく、アルバイトを始めました。

エンジニア業ではないです。
単純作業を選びました。

情報を入れることも仕様のやりとりをすることも、
そしてコードを書くことも、もう、
できないと思ったので。

わたしを見ていたある人は、

「なんだ、働けるんじゃないか。
追い詰められていなかっただけじゃないか」と言いました。

そうですね。
働きましたね。確かに。

遅刻も、欠勤も、しませんでしたよ。

だけど、内情はひどいものです。
「働いた」その一点だけで判断できるような生活ではありませんでした。

食事は食べる余裕がないので抜いたりお菓子でごまかすのが当たり前でしたし、
お風呂もロクに入れず、ひどい臭いをさせていたこともあります……
申し訳ないし、恥ずかしいし、どうにかしたいんですけど、
仕事だけで精一杯で、帰宅するともう動けないのでした。

その仕事もひどいもので、間違いがほんと多くて……
直すための工夫や努力をしてもミスを減らせなくて、
「なんでそこで?」ということを、いつもしてしまっていました。

「あなたの話は分かりづらい」
「あなた仕事が雑だね」という評価をされたことも、衝撃でした。
だって、ここに来る前の仕事では、
「あなたの話がメンバーの中で一番わかりやすい」
「いつも仕事が丁寧だね」って言ってもらっていて、
その頃とこの頃とで、仕事に対する姿勢は何も変えていなかったからです。

だけど、見栄を張ったって仕方がない。
今の仕事に以前の仕事は関係ないし、
頭がぼんやりして、会話の組み立ても細部まで気を行き渡らせることも
以前のようにできないのは確かなんだから。
悲しいけど、これが、今の、わたしへの評価なんだな。

そんな状況でも、なんとか……
一進一退しながらも、なんとか、業務を回せるようになりました。
ようやくここまで来られた。
新しいことを覚えるよりは、覚えたことを維持する方が容易なはず。
不注意な間違いが多いから気は抜けないけど、なんとか、
なんとかやっていこう……

そう思っていた矢先、面談で言われました。

「ナツキさんもだいぶ仕事に慣れてきたよね。
これで満足すると成長がないから、新しい挑戦を始めよう。
あまりコミュニケーションに積極的じゃないよね。
もっと部署内外との連携を心がけてみたらどうかな」

目の前が真っ暗になりました。
成長どころではないです。しかも自分の苦手分野。

そんなところに挑戦する余力があるのなら、わたしは、エンジニアやめてないし、
ていうか、まず、お風呂に……

難しいことへ対応できないから、
挑戦なんてできる状態じゃないから、
単純作業の仕事を、選んだのに。

フタを開けてみれば、
単純ではあるけれど難しいところも多い仕事で、
自分自身の状態の悪さもあるから結構大変で、
それでも、ようやく、ようやく覚えたのに、
覚えたら、次を求められてしまうの…?

それはいつまで?
どこまで?

どこまで成長すれば、わたしは安定できるのか?
どこまでがんばったら、許されるの?
そんなゴールが存在したとして、わたしはそこまで行けるのか?
今、すでにもう、身動き取れないのに?

この疑問と嘆きは、ここだから持つものではなくて、
どこの現場に属していても持つことになるだろう。
社会は複雑化の一途をたどり、
それに伴い、仕事の要求は上がっていく一方なのだから……

……いや、ごめん、世の中のせいだけにしちゃいけないな。
わたしの性質にもよるんだ。
成長が求められる現場を、無意識に選んでしまうのだと思う。

だって……
なんだかんだ、新しいことを知るのは好きだ。
挑戦……は、ものによるけど、
学ぶことも、大好きなんだ。

そういう要素がなかったらなかったで、
息が詰まってストレスでしょうがない。

なのに、もう、
そういうのついていけない、ときた。

本当に世界が難しいところだったとしても、
わたし自身が、それ以上に難しい。

あまりにも難しく、
矛盾したわたしに生きていける場所が、
この世にある気も、自分で作れる気も、しなかった。

仕事なあ。
安泰目指して、がんばってきたんだけどなあ。

『エンジニアは需要ある、
お給料も生きていける、
学び続けることもやっていけそうだ!』と思っていたし

無理らしい無理もしてないはずなのに、
なんで潰れちゃうかなあw

そして今では、
簡単な仕事すら務められないときたもんだ。

なんとかしようと、
がんばってきたけど…………

もういいよ。
これ以上あがく気にならない。

身辺整理して、この世を去ろう。