霊媒師の先輩「人々の不幸を願う霊たちもいろいろ考えていて、
こちらのことをよく研究してるんですよ。
で、あるところにその情報をまとめたファイルがあるんですね。
見られないように隠されているのですが……
まあ、わたしは見ますね」
『(ハッキングw)』
「プロファイルにはA〜Dのランクづけがしてあって、
一言コメントが添えられてたりするんです。
Dランクは
『こいつはもう堕ちてる/何もしなくても不幸の中で死ぬ』
という感じなんですね。
Cランクだと
『俺たちの手駒として自由に使える/ほっといても大丈夫』
という感じになります。
それより上になると、コメントに対処法 (不幸にする方法、弱点) が入るようになります。
上の方のランクに行くと、
『こいつには手出しできないからほっとく』のようになりますが……」
『強すぎてSランク的な』
「はい。
でも、師匠はAランクですね。
大師匠だとまさにSランク的な扱いをされています。
コメントには『こいつはどうしようもない』って書かれてます」
『「こいつはどうしようもない」ってwwwww
どうしようもないやつらがwwwww
ゆってるwwwww』
「で、最近このファイルの最新版を取ってきたんですよ。
毎日とか毎月更新されてるようなものでもないんで、たまに見に行くんですが」
『適当なブログかwwwww』
「そんな感じです」
「で、ナツキさんのファイルにはですね、
『こいつはキャパオーバーにすればいい』
って書いてあります」
『!!?!!??』
『wwwwwwww』
『てきかくwwwwwwwww』
『よくわかっていらっしゃるwwwww
ムッカつくwwwww』
『…………。
的確に理解されすぎててうれしい思いもある……
くやしい……
やるせない…………』
「Tだと『こいつには面倒くさいと思わせればいい』なんですよね。
Iは『こいつは体が弱いから、体を弱らせれば精神も追い詰められる』です」
『ほぇー……』
「研究熱心というか、律儀というか……
わざわざこんなものを作っているところを想像すると、なんだかかわいいですね」
※ちなみに、作るにあたってみんなで会議を重ねたりしているらしいw
『わかるwww
わかるけどむかつく……』
『最近まさにキャパオーバーで追い詰められて「もうだめだな、この世界で生きていけない、今度こそ死のうかな」ってなってたわけで、
超超超超超ムカつく……』
『現実上で追い詰められたきっかけ……
まあ会社の仕事なんで上司さんの言葉になってしまうわけですが、
悪意とか全然なく、むしろ100%善意ですよ。
100%よかれと思ってのお話がわたしのその急所を的確に突いてきましたよ……
上司はわたしをへこませたいとも追い詰めたいとも全く思ってない、わたしの今後も踏まえて心からの善意で働きかけてくれてるのに……
そういう人の思考・発言がわたしを追い詰めるために利用されたのだとしたら、
悔しい……悔しすぎる……
クッソムカつく……』
※この書き方だと上司さんが悪者になりかねませんが、そうではないのです……
仮にドミノを、弱点へつながるドミノを倒したのが上司さんだったとしても、
そのドミノをせっせと作り上げてきたのはやっぱりわたし自身なんだ。
「霊的攻撃は、対象の弱点を的確に狙ってくる」1件目の記事でもチラッと出ましたが、
“動じざるを得ない”“その人の弱点”が、攻撃には利用されます。
言われる側が逃げる気になれないテーマ、
過去の積み重ねもあって引け目のあること、
立場やしがらみ、信念や恐れの中で無視をできない相手から投げかけられるという状況、
そういったことだからこそ、人を苦しめるのに利用できるわけで……
しかし本来、何を言われても、わたしが動じなければ何にもならないただの言葉なのです。
(ということを、後日この出来事を通して、わたしはより深く実感することになりますw)
「わたしも、不幸にしてやろうという霊たちからの散々な罵倒には慣れていますが……
やっぱりね、一番ダメージ大きいのは、生きている人間たちからの言葉なんですよね。
お互いの関係性とかがある中での」
『くやしい
でもアレですね!
わたしのプロファイルには追加しといてほしいもんです、
「ただし追い詰めすぎると大幅に飛躍してしまう」ってね!』
「はい。
人は、追い詰められすぎると『もういい!』ってなって、乗り越えてしまいますから……
うまい具合に生かさず殺さずする、
そのために少しだけ幸せも与える、
しかし本当に幸せにはしない……
ここの加減が、彼らの腕の見せどころですね」