世のお金はどこへ流れているのか?

 

まだ無名な事業の初期投資

立ち上がって間もない、あるプロジェクトのメンバーとご飯を食べていたときのことです。

「今後こういう風に展開していくつもりで、こんな風にプロモーションしているところなんですよ」など聞かせてもらっていました。

すでに規模の大きな拡大やコラボなどを思い描いており、積極的に動いているのだそう。
設備や雇用への投資もどんどん行っているとのことでした。

夢が膨らむお話です。

しかし、わたしがどーーーしても気になっちゃったのは、ここでした。

『そんな積極的に設備投資をできるほど、その商品は儲かっているんですか?
(を不器用なオブラートに包んでるつもりでド直球)

失礼極まりない質問なのですが、相手の方は気を悪くした風もなく、答えてくれました。

「いえ、全然w」

『Σえ゛っ』

予想通りの答えなのに意外すぎて、
ハテナマークを飛ばしまくってしまいましたw

ぽかんとしている私に、
相手の方は、丁寧に教えてくださいました。

これは、売れたときに口コミが期待できるし、人を集めることもしやすい類の商品。

人が集まるところにはお金も集まる。
だから、投資家の人たちの目に留めてもらえる。

成果が出たときの見返りが大きいから
積極的に投資してもらえるし、
宣伝媒体を持つ人なら宣伝もしてくれたりする。

だから、彼らから投資してもらったお金を、拡充費用に充てているわけです。

『な、なるほど……!(゜д゜;)』

大変興味深いお話で、
その後いろいろと考えてしまいました。

お客さんに売りこむよりも、投資家さんに売り込んでお金を得る(少なくとも最初はそう)って発想がもう……
頭良すぎやな……

(その世界の人達には常識だと思うんだけどごめん
縁のなかった私には衝撃だったんだ)


だけど、
労働を売上につなげることよりも
投資家さん達へ夢を見せて味方につけることが確実にお金を得る方法なのだとしたら、

賢い一方、なんだかちょっと寂しいなあ。

「労力をかけずにお金を得るべきではない」というわけではないんだけれども……
わたしは自分の見ている世界もそして発想も労働者だから、聞いたお話の内容が事業の展望や道筋であってお客さんと実労働について見えなかったのが寂しかったのかもしれない。
実際にこのあたりがおざなりにされてるわけじゃないんだけどな。

投資家の人たちが求めるもの

投資家の人たちが、投資して何を得ようとしているか……
って、さらなるお金だよね。

えっ あれ
そんなにお金集めてどうするんだろう??
お金が集まったら…………なにかやりたいことに使うの?

Amazonの偉い人とかホリエモンさんはそうだよね。宇宙開発だっけ? 楽しそうで応援したい。(彼らは、投資家さんというより実業家さんな気もするけど)

でも、投資家さんの誰もがビッグプロジェクトのためにお金集めてる訳じゃないよね。
この人達は、集めたお金を何に使うんだろう……

…………

………… 次の投資?

えっ お金を集めるためにお金を集めるとか

それなんて Cookie Clicker

※Cookie Clicker … (クッキークリッカー)

ひたすらクッキーを集めることが目的のブラウザゲーム。

集めたクッキーを投資することで

  • 自動でクッキーを焼く
  • おばあちゃんを雇ってクッキーを焼いてもらう
  • 畑でクッキーを育てる

など、より多くのクッキーを入手するためのさまざまな手段を得ることができる。

「食べられる前のクッキーを過去から取り寄せる(施設:タイムマシン)」など、ハイテクノロジーが惜しみなくクッキーのために使われていく。

なお、クッキーを集める目的は
「さらなるクッキーを集める」である。

それ以上の要素はないのだが、謎の中毒性があり、とてもハマる。
さあ、とりあえずクリックしてみよう


そうか……そうか
だから投資が「マネーゲーム」と呼ばれることがあるのだな……
クッキークリッカーと比べてみて、ようやく理解したわ……

※実際には「マネーゲーム」と呼ばれているのは「投資」ではなく「投機」であり、この2つはちょっと性質が違うものなのですが、この記事では同じものとして扱います。

えっ でもあれっ ちょっとまった
投資で集めたお金が投資の元手として使われていくのであれば、
労働者に還元されるのはいつなんだろう???

ある人たちが「生活の糧」として使っているものが、別のある人にとって「ゲームの元手」であるというのは、なんだか不健全じゃない??

投資家さんたちに集まるだけ集まって、さらなる投資にお金が使われるんじゃ、投資事業に関わらない限り、お金の流れに乗れないのでは……?

……とはいえ、投資事業はあくまで投資事業だから、成果が見込めなくなったら切られてしまうのか……

それに……
「お金を得られたら次の投資に使う」という見通しがある以上、
労働者への還元って節約され続けてしまうのでは……
「今期は儲かったからボーナス2倍ね!!」とかされずに、投資へ投資へと回されてしまうのでは…………

えっ ええー ええーーーーー
なにこれ世知辛い……無理ゲやない……!?

※上記には早とちりも含まれているのですが、この記事ではこのままお話を進めます。

なんかこう、あまりの温情のなさに「更なるお金を得るためではなく、応援としての投資」とかして欲しくなるところであるが……

ううーん しないよね 基本的に

ああ……だから先輩が以前、
「投資家の品が下がったことが問題だ」って、言ってたのか……

「本来投資家というのは、応援したい事業や地域活性化など、採算を度外視した投資もおこなっていた。そうやって世の中へお金を回すことが、投資家の役割だったから。

今の投資、投資家というのは更なるお金を追い求めるばかりで、社会貢献は二の次になっている。だからお金が世の中に出回らない。

投資家全員に言えることではないかもしれないが、『こういう投資、お金の流れが主流になっている』とは言える」

なるほど……

他の方から聞いた話では

「今、日本のお金の○%(数値忘れましたが大部分、ほとんど)は、上位十数名が持ってるんですよ」

『え、数名!?
えーと、ですらなく……?』

数名です」

でも少ないのに\(^o^)/』

「その十数名の税金を数%上げるだけで、相当な税収になりますよ。それだけでベーシックインカムが実現できます。

じゃあなぜ政府は彼らの税金を上げないのか?
それは、『税金を上げたら、税金の安い海外へ逃げられてしまう』からです。
逃げられたら元も子もないので、現状維持を続けるしかないんです」

だそうな…………

オウフ…………

みんなでつくる、みんなのしゃかい。

なんか、ここまでの話
投資家さんが全て悪い!
みたいな内容になってしまいましたが……

どうしてこの流れが主流になったのかを考えると、「大多数の一人一人がそれを望んだから、許したから」なわけで……
投資家さんを責めたり恨むのはお門違いというのがまた……こう…………。

「望んでなんかいない!」って、言いたくなりますけども……

もしも明日、宝クジが当たって億万長者になったりしたら、
なぜか凄腕デイトレーダーになって、株式の流れを全て理解・予測できるようになって大儲けできるようになったりしたら、

そしたらどういう生き方をするかとなったとき、「このお金で社会に貢献しよう」って真っ先になる人は少ないですよね。
親戚や友達などと分け合おうとする人は、もっと少ないはずです。

責めてるとも取れる言い方になってしまいましたが、そうではなくて。
大金をオープンにするのは危険だから隠しますよね、ってことです。
お金があることで危険人物と化す人間が、どこから出てくるか分からない。

持っているお金を閉鎖的な世界に回す人も、
今大金は持っていないけど持ったら同じようにする人も、
大金の匂いによって危険人物と化す人も、

みんなで、お金の巡りが閉鎖的になることを支えています。

「(お金の巡りが閉鎖的になることを) 望んでいる」というのは、
積極的に望み行動していなくとも、こんな風に消極的に流れに乗っているのも含めて、「望んでいる」と表現しています。

みんなで支えているから、誰か少数の人がやめたくなっても、難しいですね。

そうなると、トップ投資家さんやお金持ちの人たちへ、逆恨みや羨望の眼差しを向けてしまいそうですが……

彼らは、今の世の中の仕組みへトップクラスに適応できた(または運に恵まれた)人たちというだけなので、いなくなったり今のやり方をやめたところで、次に適性のある人たちがその座に座るだけです。

仕組みのほうが変わらなければ流れは変わらないので、彼らに目を向けてもなんにもならないよなあ、と、ガックリします。
“仕組み”よりも“ひと”の方が不満を向けやすい(ような気がしてしまう)ですけどね。とほほ。

(あと、大きい投資って損失も大きくなるわけで、決してラクとは言えない生き方でしょうし……
1日で5億10億損するとか、期待と共につぎ込んだ投資が目減りしていくときの気持ちも損切り判断も、どんだけ胃に負担がかかるか想像したくもないですね……ギャンブルゥ)

それに、仮にトップ投資家さんたちが社会貢献の投資を重視するようになって、応援や活性化のための投資を始めてくれたとしても……

次には、一般庶民の方が堕落する可能性が頭をよぎります。
頑張らなくても養ってもらえるんだから、もう寝て暮らそう、仕事なんて手抜きでいいや、とか、仕事やめて有り余った時間で人にマウンティングやらストーカーするとかね……。

もちろん全員ではないですよ。
でも、望ましくないことが起こる可能性を、否定できません。
堕落の下地がある可能性を、否定できないです。

品をなくしたのは、投資家さんだけではないと思うのです。

しかし……

品以前に、

「真面目な人であっても、生活のためにあまりにも苦しみすぎている、恐れが多すぎる、生きるだけで傷つくことが多すぎる」

とかもあるんで、こちらもやはし、責めるのはあまりにもかわいそうというか……

もっと息のしやすい世界で暮らしたい。

誠実な人たちも、まだまだ残っているはず

とまあいろいろと、
気持ちの下がる内容を書きましたが……。

少なくとも私の周りは
「お金の心配がないなら手抜きする」なんて人はいないです。
ベーシックインカム実現したら、きっとみんな生き生き活動していくだろうなあ。ある程度スローペースにはなるかもしれないけど。

投資家さんだって、社会貢献のためにがんばってくれてるという方、今もいるはずですし。
知り合いに、投資家さんも彼らと近しい人もいないので、生の声は聞けないのですけども……

ただね、近所の神社にいくとですね、
神社のために資金を出してくれてる地元の企業さんや個人さんの名前がズラーッと出ているんです。

それを見ながら『ふわーこんなにたくさんのひとが、見返りらしい見返りもないのにお金出してるんだなぁ』って圧倒されています。

こういうお金の使い方をしてくれる人たちは、グイグイ前に出てこないだろうし言わないだろうし目立たないだろうしで、あまりお見かけしないですけれども。
きっと、私が思っている以上にたくさんいるんでしょう。

それに、きちんと事業で利益を出して、むしろ余っているくらいだから
宣伝の名目をつけて担当者の趣味に突っ走っているプロジェクトも見たことがありますw
ちゃんと幸せに生きてる人もおるんや……

うん、そう、厳しい話は多いけれど、誠実に幸せに生きている人だってそれなりにいるはずで、この幸せを拡げていければ、嫌な流れを変えることもできるんじゃないかなあ、なんて思ったりもしています。

だらだらと様々な話に言及してしまいましたね。
記事の終わりまでお付き合いいただきまして、どうもありがとうございます。


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管理できてないんですが
そのうちちゃんとまとめたいです
内容も含めて…… orz

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