前半もくじ
- 牛乳の生産と動物愛護 [前半] 生産過程
- 牛乳はダメなの?どうして?という疑問
- 「分けていただく」その過程
- お乳が出る前提には、妊娠出産が必要である
- 生まれた子牛は母親と引き離される
- そもそも「殺していない」わけではない
- “処分品”の歪んだ循環
- 人間は愚かで傲慢じゃ~~!!
- 牛乳の生産と動物愛護 [後半] 人々の意識、精神性
生まれた子牛は母親と引き離される
異性を求める気持ちや妊娠出産続きとなる暮らしについて、牛たちがどのように感じているのか実際のところは分かりませんが、
母子が共に居たい気持ちについてなら、確実にあると言えるはずです。
しかし、出産を終えた後、ほどなくして母子は引き離され、別々に飼育されます。
共に居ると親子の繋がりが深まってしまい、そうすると搾乳の効率が下がって、次の出産も遠のいてしまうからだそうです。
母牛の存在も、彼女から出るお乳も、
人間のためのものであり、
子牛のためのものではないのですね。
母牛はいなくなった子を探して鳴き叫び、
母を失った子牛はそれに加えて、母親のお乳を求めて手近な突起に片っ端から吸い付くという、異常行動を見せるようになるそうです。
……出生からそんな扱いをされているくらいですから、飼育環境がまるごとひどいことも珍しくはないそうです。
満たされない環境での暮らしを続けてきた影響は、成熟してからは「舌遊び」という異常行動に現れることがあるのだとか。
長い舌をベロンベロンと、ヘビのように出す行動で、するとストレスが多少落ち着くのだそうな。
檻は狭く、その中でもさらに動きにくいよう繋いでいる紐は短くされているそうですから (排泄の位置がズレないように)、
そんな中で動かせるのは視線と口くらいですもんね。
人間で言う、貧乏ゆすりや爪噛みのようなものなのでしょう。