お世辞派の生態
会社の何人かで集まってワイワイしているとき、友人A(♀)はある男性に向けてこう言いました。
「下村さん(仮名)はイケメンですもんね♪」
全く関係ない日に2人でご飯しているとき、友人Aは言いました。
「下村さん(仮名)ってさ、
イケメンって顔ではないよね」
おいいいぃぃぃぃ!!! (;ω;)
やめろよそういうの!!
下村さん(仮名)イケメン言われた時めっちゃ喜んでたぞクルァ!!!!! (;ω;)
友人Aにはこういう、
とんでもなく二枚舌なところが
ありまして……。
でも、私から見ればとんでもなく二枚舌なんだけど、
本人の自意識としては
「私は誠実、嘘つかない人」らしい。
おま、どの口で /(^o^)\
しかし、直接話をしていると、
こちらの自意識の方もどうやら嘘ではないようで……。
いや……その……
文章にすると「とんでもなく二枚舌」
以外の何者でもないんだけど……ね……うん……
(しつこい)
(サラリと言ってのけすぎててもんのすごいショックだったんだよぅ……)
こりゃ一体なんなんだって疑問だったんだけど、
『お世辞、リップサービスであり、
彼女にとって、リップサービスは“嘘”ではない』
という結論に、たどり着きました。
……翻訳が、必要なんやね……
彼女の言う「イケメンですね」は、
顔のつくり云々についての言及ではなく、
「お喋りは氣分良くしましょう☆」
だったんやな……
言葉の持つ意味よりも、
氣持ちのいいコミュニケーション、
言われた人の氣分の良さを重視してたんだろうと考えたら、いろいろと腑に落ちました。
実際、友人Aと話しているととても楽しく、氣分が良いのです。
こういう言動を何度か目の当たりにしてからは、2人だけのときに真偽を確認しなおしたり、褒められても話半分で聞くことを心がけるようになりましたが……
とはいえ、私は言葉が持つ意味の正確性や
発言の矛盾の少なさ、裏読みしなくていいことの方を重視するから、この件(とか)はかなり戸惑ったし、こういうコミュニケーションを取ろうとも思えないですけども……
正確派の生態
でも逆方向で、言葉の正確性のみを
絶対とする人相手に疲れたこともあります。
私『どこそこに「夕日」って名前のファイルが一点入ってたと思うんですが、すみません、送っていただいてもいいですか?』
相手「『夕日』なんて名前のファイルはない。
『夕焼け』ならある」
私『……
「夕焼け」の送信を、お願いできますか……』
なんでいちいち否定断定で返すんや感じわる……!
え、
「『夕日』はないですが、『夕焼け』ならありました。
もしかして、こちらのことでしょうか?」とかでよくない??
ファイル一点、違ってたら送り直しでよくない???
いや、頼む側から『言い方考えようよ』とか『大した手間じゃないだろ』とか言いたかないんだけどさ……!!
言いたかないけど思っちゃう!! くっぁーモヤモヤしちゃうゥ!!
こちらのタイプは言葉としては正確なので、文章でモヤモヤを説明するのが難しいのですがw
話をしていて細部ひとつひとつに間違いの訂正が入るので、共に過ごすとやたら消耗しました。
言葉選びも否定・断定が多いので攻撃的な印象だし、訂正内容が一般的なことだと「これくらい常識だよ」がついてくるし……
話の流れがブツブツ切られて進めにくいし、
それ以上に、心が、折れました。
『どうせ間違ってるんだろうから、もう喋りたくない』
『悪かったな常識知らずで……』という氣持ちになるというか……。
シンプルに言えば、
話をしていてイラッとくることが多かったです。
しかし一方、率直に明確に表現してくれるので、真意を一々確認しなきゃいけないというめんどくささはありませんでした。
(あと、文句言いまくってるけど私自身こちら側の住人です orz)
感想:バランスぅ
まあねー
これらの振る舞いが活きる環境でやってきた人たちだから、仕方のない事でもあるのですが……
友人Aは、常に目の前の相手を接待しなきゃいけないような環境で生きてたし、
(何度聞いても「お茶は要りません」って言われたから出さないでいたら、「あの人客に茶も出さないのよ」って陰口叩かれてしかもそれが仕事に悪影響及ぼしたりする感じ
め、め、めんどくっさああぁぁぁ!!!!!)
後者の人も、ひとつひとつの「言った言わない」が重要なお仕事をしていてな……
環境により育てられただけではなく本人たちの元々の性質でもあるから、どちらも「自分の振る舞いに、改めた方が良いところがあるのでは?」と考えてみることはない様子。
けどそれは、私も人のこと言えないしなあ。
誰しも、何か普通から外れたところはあるし、でも自分の何が普通でないかって、分かりませんからね……
個人的には、お世辞派も正確派も偏りすぎると話をしづらいから、もうちーとバランスとってほしい、対応の幅を持ってほしい氣持ちがありますが……
マイペースを崩すことって本当に難しい。
反対の要素に歩み寄ったぶん、本来の良さや能力が死んでしまうこともあるから、バランスを取り入れたほうがいいと安易には言えないんですよね。
本人の性質的に、訓練でのカバーが限りなく不可能ということもありえるし。
以上、同じ言語を喋っていても、言葉の使い方って全く違うことがあるよね、の一例でした。