能力があるなら世界に向けて表現しないといけないのでゎ疑惑 (後編)

【前回のあらすじ】
同僚 (Webデザイナーさん) へWeb製作 (コード書き) を教える事になった。
性格は素直でまじめなのだが適正の方は全くない。
どうあがいても進歩は見られず。絶望した。
能力があるなら世界に向けて表現しないといけないのでゎ疑惑 (前編)


 

「実はなんか知的障碍でもあるんじゃないか 会話が理解できない的な」と私が疑いはじめた頃。

彼女は「昔こういうの作ってたんです」と、学生時代の活動記録を見せてくれました。

……ん?

…………んんん???

 

どええええぇぇすごいぞおおぉぉぉぉ!!!!!

 

彼女の本分であるデザインが遺憾なく発揮されていたわけですが、レベルの高さに目を見張りました。
そのまま売ってそうだよ!! 雑誌に載ってそうだよ!! という画面作りが目白押しでな……!

 

質が高いからといって売り物になるとは限りませんね? しかし彼女の作品には、依頼者さんの需要に応えるという真摯な姿勢がきちんと見られるのです。
作品コメントに必ず「依頼者さんの望む方向性」と「対応するために工夫した点」が記述されていました。
短い文章から読み取れる、丁寧なヒアリング。

会話を理解できない人物が
こんなハイレベル&柔軟な仕事できぬわ!!!!!

 

あと、写真撮影 (モデル付) という作品もあったのですが、ご友人に協力を仰いで、機材の準備、コーディネート&メイクアップ、演出等々全てご自身で考え、実行もされたのだとか。
おいおいおいおいディレクションもできるんかい!!

なんでコード書きやろうと思ったの。

 

あ、いや、挑戦自体は尊いんですけど

半年経っても1年経ってもコピペすら到達できないのに続けたいと思ったのはなんでやの。

 

うん。

 

森へお帰り……。:+*.゜

この先は、お前の世界ではないのよ…….。゚+..。゚+

 


コード書きを諦めて森へ帰った彼女の活躍はめざましく、メキメキ腕と実績を上げ始めました。

周囲からは評価の言葉が増えました。
おどおどして頼りなかった態度はどこへやら、意見を求めると堂々と返してくれるようになりました。むしろ求めてなくても、必要に応じてサッと口を挟んでくれるまでの積極性。
普段の振る舞いにも良い変化があったようで、仲のいい人から「なんか…ほんとうに変わったよね」と言われたそうです。(もちろん良い意味でね!)

 

「腕を上げた」と書きましたが、なんか、実際はこう表現するほど能力が伸びたわけじゃない印象なんですよね。

能力はもともとあったんです。

ここ重要。

能力は、もともと、あったんです!!

 

元々得意だった制作と、現在仕事で行っている制作がちがう方向性だったため、上手く対応できてなかったんじゃないかなと。
伸び伸びした人なら、うまいこと応用したり覚えたり、もしくは…あきらめて退くことが、できますが。自信がないことで、萎縮して能力が発揮できてなかったんじゃないかなぁーと。

彼女の口癖は「なんでもできなきゃいけない」でした。
「Webデザインはもちろん、コード書きだって、アナログのデザインだって、イラストだって、デザイナーとして一通りの事ができないといいデザインは作れない」って呪いみたいに言ってました。
口に出す以上に、頭の中ではいつもこの言葉が流れていたようです。

 

ってことはだ。

その目標が達成できてない以上、
「私はいいデザインを作れない」って、延々と脳に刷り込んでたわけですね。1日8時間も、それ以上も。

これが呪いじゃなくてなんだと言うのだろう。

だいたい、目標自体があまり現実的じゃないんですよ。全部できる人がいないとは言わないけど、どれひとつ取っても「これができたら大したもんだ」ってやつばかり。

卑屈は視野を狭くさせ、創造力を奪います。

 


あとすごい不思議なんですが。
彼女、コード書きを捨ててから私の教えた内容を理解しはじめました。

コード書きを捨てたとはいえ、担当業務が即ゼロになるわけじゃあなし。「コレなんでしたっけ?」など聞かれる機会はあるわけです。
そして私は(あーそれなー 何度か説明したことあるよー ほんっと伝わんないんだよなー……まぁ、もうちょっとの辛抱だ)と心の中でゴチャゴチャ思いながら、説明に入りました。

2手3手ほど説明したあたりで、
「あ、そっか、それでこうなって、こうなるんですよね」と、
なんと自己解決されてしまいました。完璧な操作で。…こう、自分でマウス、動かして。

えっ アレッッ 自分から操作できなかったあの、彼女が!! え、あの時会話通じてなかったよね!? 頭に入ってなかったよね??? いつ覚えたあぁ!!!?

しかも、単純作業じゃないんですよ。いくつかの判断が必要な内容だったんですよ。「え、え、なんでー!? ナニコレー!!(゚д゚;)」ってものすごい衝撃を受けたことをよぉく覚えてます……!

そんなことが何回かありまして。
彼女の脳が、エラい勢いで情報をつなげている……!


そんな感じで。

完全に無能だと決めつけてた相手が、実はものすごく優秀で、しかもどんどん実力を伸ばしていく現実を目の当たりにして、私は思ったのですよ……

 

人間の長所ってすごいんだな、と。

 

短所つぶすってまじ効率悪いんだな、と。

 

もちろん、短所つぶしも時には大事ですけれども。
普段から優先するのは、あんまりにも、もったいなさすぎますわー

 

あ、あともう一つ。

誰にでも必ず、長所、資質、才能、そういったものがあるんだな、って。

1人だけを見て結論づけるのは早計かい?
だけどすごいショックだったんだ。しつこいけど、完全に無能だと決めつけてたんですよ。相手を。なのに、本当は、こんなにもいい仕事人だったということが。

 


占星術的な見地から述べると、 *1 当サイトの占星術的な表記について 太陽と土星がスクエアの人はこういう迷子に陥りやすいです。
「○○でないといけない」と勝手に思い込んで、やらなくてもいいところへ勝手に突っ込んでいって、自尊心を勝手に削る生き方。じわじわと。そしてゴリゴリと。
実際は「やめてみたら、全然大丈夫だった( ゚д゚)」り、するのに。

 

別のWebデザイナーさんの台詞なんですけれども。
「Web業界に入って最初は、コード書きもデザインも両方やっていた。
けど『あっ私にはコード書きムリだ』って思ったからデザイン一本に絞った」そうです。

この見極め&撤退がねー んー 苦手なんだよね!

「こんなこともできない自分はなんて無力なんだ」
「この程度できなければいけないのに」
「やるしかない、努力するしかないんだ」…って思考回路で、戦略的撤退を選べない。

土星の得意技は無駄を削ぐことですが、自尊心の方を削いでどうする。
そっちじゃない!そっち無駄じゃないやつ!! (だからハードアスペクトなんだろうけど orz)

 

もちろん、それが必ず悪い結果を生むわけではありませんが。
新しい能力を獲得したり、一時的に調子が悪いだけの時にこらえようとするのは強みでもあります。

ただ、普段からそんなふうにしか自分を捉えられないのは不幸まっしぐらです。「能力がないけど幸せな気持ちで生きる」のと、「なんでもできるけど不幸な気持ちで生きる」のでは、幸せに生きているのは前者です。

「いざというときに後者の方が対応力が高い」のは事実ですが、いざというときのために、普段の一切を、終わりなき無能感へつぎ込むのは、いかがなものかと、わたくしは、おもいますな!

(上記の彼女も太陽□土星持ちです。
その後、社内の活躍にとどまらず、外部イベントへ積極的に参加したり自分で作ったグッズを販売したり果ては雇われ講師までやっている…というめちゃくちゃな大活躍ぶりを発揮しています。
傍から見たらすごいですよね! にも関わらず、迷いやすい性格がなくなったわけでない以上、悩みや自己卑下は尽きないようですw がんばー)

 

土星に限らないけど、スクエアの悪影響には休憩所が必要ですよ!
せめてたまには、自分を貶める言葉から解放されませう。ぜひ。

 


 

自尊心を削るまでいかなくても、
「常識に従わねばいけない」「家族 (自分) を養わなければいけない」「世間体が……」などの対外的な理由で、生来恵まれた資質を殺すことは……。
本人達が思うよりもずっとずっと、社会の健康や発展を妨げ、足を引っ張っているのではないか?

そう疑わずにおれない今日このごろなのです。

 

だから、

好きなことがあるなら、
それがやりたいことであるならば、
ましてや能力を持っているのならば。

少しでもいい、
世界に向けて、表現しなければいけないんだ……!

 

と思い、私はこのサイトをつくってみました。というお話でした。
(`・ω・´)ゞ “彼女”が主役と見せかけて、まさかの自分語りであった‥‥

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