さて、そんなふうに変化(と動き)が絶対の前提である宇宙の中に、
完璧を目指してありとあらゆる問題を封じながら
堅牢な安定を作ろうとし続ける、そんな在り方が現れたとき、
そこでは一体どういうことが起こるのでしょうか。
彼らには隙がありません。
風星座のような流動性で動かすことはできません。
彼らには、しっかりと根付いた芯と意思があるから。
水星座のように、氣持ちへ訴えかけて説得することもできません。
彼らは情に流されない、冷静な判断を下すことができるから。
火星座のように、好奇心やうっかりに乗じて足元すくうこともできません。
彼らはとても慎重で、観察も計画も怠らないから。
同じ土星座においても、
乙女座のように細部に囚われて行き詰まることもなければ
牡牛座のように自己の世界という狭い範囲で完結することもない。
足りないところに氣がつけば埋める努力を厭わず、
変化にもさらなる行動を重ねて対処を続けていく。
相手が大きくても、怯まずに、淡々と。
……こんなん、
敵うわけ、なくない?
だからね、もうね、
ないんですよ。
“運”
くらいしか。
彼らを動かせるものが。
現実上で認識できるものをもとに動かそうとしても無駄なんです。
現実で、意識の及ぶ範囲における働きかけでは対処されてしまうから。
“本人の力が及ばないところ”から、
“巻き込む”しか、ないんです。