見られているフェーズ
何時間かが経過して。
う〜ん
星キレイだし飽きないけど、
なんだか満足した感あるなあ……
もっと長く居るつもりだったけど、
今日はもう帰ろうかな……
ふえーん
星眺めてる時は穏やかな万能感幸福感に浸れるけど
おうちに帰って日常に戻ったらきっとまた
鬱屈とした精神状態に戻ってしまうんじゃろうよ
ふえーん
そう思いながらも、体を起こしたとき。
したたたたたっ!
視界の隅を、走っていく影がありました。
えっ……
き、
キツネちゃんだーーー!!!
かわいい
なんか草がガサガサ言ってるなあとは思ったけど
まさかのキツネちゃん……
虫だと思ってた。
さすが、足音静かなんだねえ。
キツネちゃん、わたしが急に起き上がったことでびっくりしたのか
少し逃げたものの固まってしまったので、
しょうがないのでもっかいぱたんと倒れなおすことにしましたw
キツネちゃんが去ってから、わたしも帰ることにしよう……
かさかさかさ
ひたひたひた
『……?』
頭だけ上げて見渡すと、キツネちゃん、いる。
さっき左手側から右手側へ移動してたのに、
いつの間にかまた、左手側に回ってるw
『(わたしの後ろに用事があって、
わたしが邪魔なんだろうか……?)』
『(いや、でも、後ろ、土手しかないし。
あとは道だし。
昼間はそれなりに人通り多いから、巣があるわけではなかろうし……)』
そんなことを考えながらぼんやりしながら
チラチラ辺りを見回すと、
キツネちゃん、いつまで経っても側にいる。
顔を向けるとビクッとするけど
何メートルかの距離を保ちながら
わたしの周りをぐるぐる回ったり
ときには座ったりしているw
『(観察されている……!)』
巡回路なんだろうね。
昔、実家の軒下で夜を明かしたとき
数時間おきに野良にゃんこが
こちらの様子を伺いながら声かけてきたことを
思い出した
(会社に自宅の鍵をわすれた)
(終電帰り&片道2時間の距離)
下手に動くと怖がらせてしまうので、
そーっとそーっとようやく撮ったお写真。
1枚だけ。
写ってねぇ!!! orz
いや一応写ってはいるんですけどね……
色調補正してもさすがに厳しいなぁ
ともあれ、わたしの周りをずーっとうろうろしてる。
普段はこんな時間に人来ないし
ましてや寝てることなんてないから
戸惑ってるんだろうね。
『(仲良くなりたいなあ……!
モフりたいなあ!!!
さっきの動物らぶらぶ風景に
キツネちゃんはいなかったけど、
キツネちゃんも、い、いいな……
いいな デュフフ)』
でもなぁ、キツネちゃんはな……
超ヤベぇ寄生虫、エキノコックスが
超ヤベぇからな……
エキノコックス感染は
潜伏期間がめっちゃ長いうえに無症状なので
痛みが出たときにはもう手遅れらしいのだ超ヤベぇ
さすがのなつきちもそれはこわい
(ただしモフりチャンスが訪れたら欲に負ける自信はある)
(ホントにヤベェのは寄生虫よりも自分自身では???)
いやまあ
キツネちゃんの巡回路でゴロゴロ寝そべっとる時点で
感染してる可能性ゼロじゃない気は
しなくもないんだけど……
それがなくても
山暮らししてたときにさ……
「水源地が汚染されてたらアウトですね」って言われてた よう な
(水道は湧き水から直接引いてきてた)
だけど……
モフモフ……
したいな…………!
さすがに初対面では無理だとしても
ひんぱんに通ったら仲良くなれるかな
デュフフ
星にかけた願いの中には
『動物達と仲良くしたい、お近づきになりたい』もあったから
早速第一歩が叶ったのかなって
ウッキウキのワックワクの
嬉しかった。
そんなことを思いながら
『かわいいね』
『ひとりなの?』
『帰らなくていいのかい?』
と囁きボイスでナンパ全開してたんだけど
だんだんと緊張感高まってきた末に
『高い声で鳴き声っぽい音出しときゃ友好的に聞こえるだろ』
という超雑な選択を実行したところ大間違いだったようで
威嚇されてしまいました…… orz
「ケーン!!😠」
『あれ?怒った??』
「ケーン!!😠」
『怒らせちゃった?』
『ケーン!!😠』
『怒らせちゃったか……
怒らせちゃったから、帰るね
(そんなに響く声で吠え続けられたらめっちゃご近所迷惑だし)』
立ち上がるわたし。
反射的に逃げるキツネちゃん。
きっともぉ仲良くなれない😭
このなーーーーー
緊張感とか、あと攻撃心とか。
これがお互いに湧いてきたとき、
そのまま溶かすことができるようになれれば
仲良くなるうえでも
自分の身を守るうえでも
すーごい心強いんだけどなあ……
……けど、なかなか難しい……
恐怖心を払拭するのはわたしの仕事の一部でもあって、やることもあるんだけど……
その感覚を直接溶かすことは、全然できている気がしない (と、自分では思っている)。
正確には、恐怖心をなんとかしてるわけではないのかもしれない……
メンタルブロックや勘違いを調整することで、そこから湧き出ていた恐怖心が止まりますよ、という、間接的なもので。
目の前に認識した危機に対する恐怖感を消し去ることは、できないのかもしれない。
……まあ、そんなことは、できたら逆に困るだろう、って気もするけど……
恐怖心 (警戒心) は、必要な感覚には間違いないから……
でも絶対できないかという問いを立てたら、そんなこともないと思うんだよなあ
……まあ、野生動物と人の距離が近づくのは
あまりよろしいことではないから、
今回は仲良くなれなくて正解なんだけどさ……
下手に人慣れしちゃったり、
そこまでではなくとも人へ近づけるようになっちゃうと、
そのせいで殺されちゃう可能性だってあるもの。
キツネちゃんはなー……
前述の、寄生虫がな……
野良猫のような扱いとはゆかぬのだ……
仲良くなりたいならやっぱり、
人里である今いる場所で強行するんじゃなくて、
ご近所さんに迷惑をかけなくて済むレベルの広い土地が必要だよなぁ。
うーん
ちなみになんだけど
こんな声でした。
……を紹介したかったのですが、
『これだ!』という動画を見つけられなくて……
一応、怒った時の声はコレらしいのですが。
(わたしが聞いたのとは違うけど)
怒ってるんだけど
冬毛もっふもふだし
後じさりすべるし
最後のほうにゃーにゃー言うし
可愛すぎん?w
てか、家に帰ってからキツネちゃんについて調べてみたのですが
キツネちゃんって
いろんな声出すんですね……
コレとか
きゃわゆゆゆw
甘えてる声らしいww
キツネちゃん目的で何気なく検索したのに
出てきてくれたのが日々拝見しているゲーム実況者さんでびっくりしましたw
そして失笑しちゃうのわかるwwwww
帰ろうと立ち上がった場面に戻りまして。
『(今度こそ、今夜の星見はここまでだな)』
そう思いながら頭上を見上げると、
あんなに星々がキレイに見えていた夜空は
いつの間にか雲に覆われて、ひとつの星も見えなくなっていました。
『(ずっと寝転がってはいたけど、
キツネちゃんに集中してて
全然気づかなかったな)』
ホントに、わたしが空を見るために開けてくれていたのだ感がすごくて、
それが妄想であろうと事実であろうと
とてもありがたいのでした。
さて、次の1年はどうなることやら。