弱い者虐めのための正義

今日の辻ヒールは、番外編で。
わたし自身のことです。

 

自分の生活を支えられていないので、
最近、生活保護を申請しました。

兄貴どころか友達どころか
ついに社会福祉にまで迷惑をかけてしまった……ので、
この機会にガッッッッッチリ自身のことをハッキリさせるべく、
本格的な発達障碍の診断を申し込もうと……

でも、保険証は返還になるのよね?
お支払いのときどうすればいいんだろう。
『生活保護を受けていて』って申告すればいいのかな。
それとも一旦は自己負担扱いで全額を払えばいいのかな?

 

脳内イメージで予習をしていると、
受付のお姉さんに生活保護を申告した瞬間

「働け!!
お前のような奴が生活保護なんか使うな!!!!!」

と、待合室に居合わせたオジサンが目を吊り上げながら怒鳴り込んで来ました。

太ってて、脂っぽくて、ハゲてて、
なんというか、「いかにも」って感じのザ・オッサン です。

 

わたし自身、自分が保護を受けても良い人間なのかには自信がなくて、オジサンと同じ意見を思う時間は短くありません。

でもね……

 

『どうしてそのことを、あなたが決めるんですか?』

 

「働くのが当たり前だろう!」

『その調査・判断を行うのは役所の仕事であって、あなたの出番はないはずです。
それに、わたしが働ける状態で、怠けるために保護を受けている、不適切だということを、何を以て確信したんですか?』

「若いんだから働け!」

『確かに、見た目におかしいところはないのでしょうね。
第一印象がそうであるということを、わたしは否定できません。
もっと言えば、内情も実際に健康で、本当は怠けているだけなのかもしれません。
否定できません。

でもね、だからこそ、
怠けているだけなのか、
どうしようもない原因があって自分では医療費を払えないまでに落ちぶれたのか、確認するため今ここにいるんですよ。

あなたの言い分が正当かどうか、検査の結果が出るまでは分からないことです。
今言われる筋合いはありません』

 

『そして、仮にわたしが単なる怠け者だったとしても、それは結果論に過ぎません。
ロクな情報もないままに、決めつけて全否定で怒鳴り込むあなたの姿勢には疑問を覚えます。

……わたしの友達に、生まれつき内臓がひとつ欠損している人がいます。
その事による影響、苦しみはわたしには分かりません。
見た感じは普通に仕事をして、ごはんを食べて、ほかの人々と関わりを持って、暮らしています。
見た目におかしいところもありません。
でも、本人にしか分からない……
いや、本人すら分からない負担を抱えていても、おかしくはありません。

もっと分かりやすく、難病指定のたいへん面倒な病氣を持っている友人もいます。
日常生活の制限もかなり受けます。
しかし、見た目は普通です。
接していても普通です。

それどころか、仕事では二徹三徹が珍しくないくらいで、そこらの人よりよほどバイタリティに溢れています。

あなたのご様子を見るに、
いまここにいるのがわたしではなくこの友人たちでも、きっと怒鳴り込んで来ましたよね?
相手の内情を何も知らないのに、なぜ怠け者だと決めつけてかかれるんですか?』

 

『あなたは自分の振る舞いに迷いがなく、自分が正しい、自分が正義だ、自分は税金に寄生する悪人を成敗してやっているのだと思っていますよね?

それは本当に正義ですか?

生活保護を受けているひとたちは、資本主義社会の中にあって地位が非常に低いです。
地位だけでなく、おそらくは、知能や自尊心、コミュニケーション能力なども低い人が少なくないはずです。
自己資源が乏しいゆえに、弱者になってしまったのですから。

わたしはもう地位とかどうでもいい、今あなたに言い返してみるのも面白いかなと思ってそうしていますが、本来ここでこんな風に返す人はまずいないでしょう。

反撃してこないと分かっている相手を恫喝するのは楽しいですか?

安全な立ち位置から相手を攻撃するのは弱い者虐めではありませんか?

弱い者虐めがあなたの正義ですか?

あなたは、悪人であるわたしを成敗したんじゃない。
自分の苛立ちを発散したくて、
でも安全な立場は確保したいから、
正義にかこつけて反撃しなさそうな相手を攻撃しただけなんだ。

でなければ、役所にも報告を入れてみたらどうですか?
生活保護の不正受給者を見つけたって。
やらないですよね。
面倒ですもんね。
怒鳴ってスッキリして忘れるのが氣持ちいいだけで、社会の不正を正したいわけじゃないんですもんね』

 

『あと、実際には反撃を受ける可能性もありますよ。
もうすこし落ち着いて、ご自分を大切にしたらどうですか』

 

「お前のじいさんだって同じことをしてんだろ!
(知ってんだからな!!)
お前は自分のじいさんも侮辱するのか」

 

……知ってんだからな?

ここに差し掛かってちょっと違和感。
あれ……これ……自問自答?
憑依じゃね??
頭の中に侵入されてるやつじゃね???

 

話を続けたいので、詳しいことは後述としまして。

 

わたしの祖父は、タバコ吸ってる中学生とかに「コラッ!!」って言うタイプで、
「あんた今どきの子にそんな注意とかしてたら刺されるかもしれないから、やめな」って祖母にたしなめられていたそうなのです。

 

『「怒鳴る」という行為が一致しただけで
あなたとわたしの祖父を同列に扱わないでください。

自身のストレス解消に人を攻撃するあなたと
世のため人のために注意をしていた祖父とでは、
あまりにも内情が異なります。

また、生活保護に至るそれぞれの事情には配慮の必要性があるはずですが、
未成年者の喫煙にそれは生じません。

「いじめで強要された」などがありえるので、配慮の要る可能性がゼロとは言い切りませんが、
だとしても、まだ未成熟な肉体に損傷を与え、娯楽色が強く、何も良いことを残さない行為とくれば、配慮よりも緊急性を優先して止めるべき対応とみなしても良いはずです。

わたし個人の感情としては、
それでもいきなり怒鳴るという行為そのものを良くは思いませんし
じいちゃんもあなたみたいに短絡的な側面を持ってたのかもなとも思いますけども。

しかし自分の欲や弱さのために他人を害するような人ではなかったですよ。
周りと信頼があって、祖母とも仲が良く、いろいろ親切にしたりされたりという関係を築いていたと聞いています。

あなたが何を言おうと、たとえ本当はあなたと同類だったとしても、
わたしは祖父を尊敬しますね』

 

わたしの言い返しが相当面倒だったみたいで (そらそうやなw)、苦し紛れに祖父のことを持ち出してはみたものの、
なんか氣がついたら居なくなってました。

 


 

単なる自問自答でこういうやりとりをすることは珍しくないです。

いやまあ普段は言い返さないので、そういう意味では珍しいんですけど……
日常すぎるし、自分の思考だからワザワザ言い返さないので……

嫌なことが思い浮かんでも、
元氣なときは『まあそうだね』で無視できるし
元氣ないときは『そうだね……やっぱりそうだよね……』で引っ張られてしまうから、
会話にならないというのもあります。

 

今回、ごくわずか、
すごーいわずかではあったんだけど
(知ってんだからな!)
っていう意識が伝わってきて、
『この問答でその言葉が生じるのはおかしくないか?』という違和感を持ったのでした。

 

わたしは、トラブルに遭った経験が多いわけでもないのに
いつも、細かいところにまで
『こういうことが起こったらどうしよう』とか
『人から攻撃されたらどうしよう』という心配が湧きます。

ピアノを弾いていれば
『事故か何かで指を使えなくなったらもう演奏できなくなるんだな』と怖く悲しくなります。
ピアノ鍵盤の蓋が不意に閉じて反応できず、指が全部折れる情景が見えることもあります。

絵を描いていれば『目が見えなくなったらもう描けなくなるんだな』、
歌っていれば『喉が潰れたら……』 川を眺めれば『落ちるかも……』

買い物をしているときなんか、

『今ひどい立ちくらみが起こって倒れるかわたしの氣が狂って暴れだすかして、
周りの商品をすべてダメにして弁償しなければいけなくなるかもしれない。
わたしはそのお金を払えずに、多額の借金を負うことになる。
そしてそれを返すことができず、借金取りに追い込まれていく人生になる』

なんてことを思ったりします。

100%ない、絶対にありえないと言い切るまではできないですが、
しかしあまりにも非現実的ですよね。
日常的に訪れるお店であれば、周りのものを多数壊しても普通に働けば返せる額に収まると思いますし (今普通に働けてないけど)

なのに、真面目に心配になるんです。

以前はこういった不安に本氣で振り回されていましたが、今は
『そんなことにはならないよ、それは妄想だよ、でもそうならないようにちょっと氣を張って過ごそうか』で済ませています。
だから診断は降りないでしょうが、強迫性障碍には当てはまるのだろうなあと思います。

常にこういう思考で頭が埋まっているわけではありませんが、
しかし『この不安、いつも思い浮かぶなあ』と思える程度には当たり前で、
しかも人生の多岐に渡っている…………

それが全部、憑依の影響だったら…………

キッツいなぁ。

 

いやまあネガティブの全てには憑依の影響あるんですけどさ

本人の性質、
今回の会話の場合だと想像力の豊かさと思考寄りなところ、それから慎重さだよね、じいちゃんのエピソードが引っ張られたあたり記憶力の良さも絡んでるかも

そういった、本人の性質にネガティブがひっついて嫌な思考 (とか) になる、っていう経緯だから、
憑依のせいだけど原因は自分にある、みたいな考え方にはなるのですが……

 

ちなみにネガティブがひっつかないと単なる思考になります

『現状、働きたくないのに感情を殺して働いている人が多いから
その苦しみを負わずに金銭を受け取っていると見える生活保護の受給者は、人から怒りを向けられることもあるだろう』

みたいな

 

情報としては分かるけど、それ以上でもそれ以下でもないし
不必要に落ち込んだり恐怖心に苛まれたりはしません。

「望ましい状態とは言い難い」ことは分かるけれども
「卑屈になったりいじけたり怯えたりする」ことはありません。

必要に応じて対処はします。
でも不必要な感情には振り回されません。

みたいな

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