理不尽には毅然とした対応を (して良かったのかは不明)

仕事が山積みであちこち走り回っていたら、
その様子を見た人たちからの悪口が聞こえてきた。

「なんか余裕ないね」
「イライラしてるよね」
「悪いモンでもついてんじゃないの」
「それだwww」

悪口とは何を言われても不快なものだけれど、
「悪いものがついている」という評価には特にクるものがある。
一応、“祓う”側でもあるわたしにとって、
引け目を突かれて胸が痛むからだ。

しかし、他者に対応できても
自分の事とはままならないもの。
情けないながら、実際にそうなのかもしれないということを否定はできない。

それに、憑かれていなくても、
わたしはこの世ならざる存在たちに干渉はできても検知する力は今のところ持っていないから、確証を持って反論することはできない。

それに何より、今そんな余裕はない。

仕事に集中しようと、引き続き走り回った。



しばらくして一段落がつき、歩いていたところ
聞き覚えのある声の一団とすれ違った。

『(さっきの声(悪口)……彼女らだったんだ)』

快いとは言えない氣持ちになり
サッサと通り過ぎようとしたのだが、
軽く肩がぶつかってしまった。

『あ、ごめんなさい』

相手方は簡単な謝罪でわたしを解放する氣はないようで、突っかかってきた。

「当たりましたね、
もう二度とわたしに触らないって約束したじゃないですか」

えっ
そんな約束したかな……?

そういや……したかも……?

あるようなないような曖昧な記憶を探りつつ、なんかした氣がするので素直に詫びる。

『ごめんなさい』

しかし、相手は更に詰め寄ってきた。

「しっかり注意して、
ダブルチェックしていけば
起こるわけがないじゃないですか」

ダブルチェック???

ダブルwwwチェックwww

肩がぶつかることにダブルチェックもなんもねーだろwwwという点と、

わたしに嫌味を言いたいがためのイチャモンであり
本当に思っていることではないため
チグハグなことを言い出しているのが面白くって、
つい吹き出してしまった。

そして、彼女の斜め後ろから視界に入りやすい横へと移動して、腕をぐいぐいと動かしながら言った。

『動きの中でダブルチェックすんのは、さすがに無理じゃないですかねwww』

(夢の中なのでよく分からない日本語になってしまったけど、
要するに『肩がぶつかったことにダブルチェックもなんもねーだろ』ということですw)

ぶつかったことについては悪いなあと思っているのだけれど、
笑いの方が先に来てしまったのもあり、態度が悪く見えたらしい。

相手は、冷静だけれど相当ご立腹であることを感じさせる声で、更に分かりやすく敵意を向けてきた。

「反省が見られませんね。
口答えするんですか」

悪かったなあとは本当に思っているんだけど、
相手の言い分を全肯定したり、
媚びたりへりくだったり、
卑屈に過剰に謝り倒す氣まではない。

やったことに対して過剰すぎる、
理不尽な怒りまで向けられてはなおさらだ。

これは、何を言っても無理そうだなあ。

『……確かに、今のは口答えっスね』

そこについては認めた。

黙っているべきだったとは思わないけど、
反論(口答え)したか否か、って聞かれたらしたのは事実なので。

相変わらずわたしから反省が見られず、
それどころか『バカバカしいなあ』という雑な態度までにじみ出てきたことで
相手の怒りはますます燃え上がってしまったのだろう。

さらなる口撃をしてきた。

「ドラゴンなんか付けちゃって」

『ドラゴン?』

なんの事か分からなかったけど、

あ、もしかして服の左胸についてるワンポイントのことかな?

わたしは自分の服を伸ばし、そのワンポイントをまじまじと見た。

白いシャツの左胸に小さく、明るいピンク色を基調とした生き物が刺繍されている。

とてもひょうきんな顔をしていて、
……ていうかよく見るとコレ、ドラゴンなのか何なのかよく分からん。
造形が謎すぎて、もしかしたら鹿かもしれないwww
ドラゴンか鹿か分からんとか、そんなことあるかwww

「カッコつけんな」「ダサい」的なニュアンスで言われた悪口なんだけど、
そもそもこのワンポイントでカッコつけることは可能なのだろうかwww
ていうかわたしは何でこんなの着てんだwwwww

そう思ったらおかしくなってきてしまって、
また笑ってしまって、

そしてまた、怒りに火を注いでしまったw

相手はいい加減堪忍袋の緒が切れたようで、
切り札を出してきた。

「もういい。
約束通り、あなたの醜聞を切り貼りした紙面を
学校中にばらまいてやる」

発言と共に彼女の手元へ現れる、ハサミと新聞?の切り抜きたち、そして台紙。

これにはさすがに、わたしの笑いも凍りついた。

わたしにもプライドはあり、自分の嫌な部分を人に言いふらされたくはない。

しかもあの切り抜きたちは、わたしが実際におかした失態だけでなく、捏造も多分に含んでいるようなのだ。

それに、たとえわたしのプライドが彼女の行動を許したとしても、リスクがないわけではない。

そんなものが出回ってしまったら、

「こいつは軽く扱ってもよい奴だ、攻撃してもよい奴だ、ストレス発散に使ってもよい奴だ」

という認識をし、そして実行する輩が出てきても、おかしくないのだ。

スナック菓子を食うような、ごくごく軽い感覚で行われる、
わたしにとっては決して軽くない、苦しい仕打ち。

その視線に、そして扱いに
日々さらされるかもしれない恐怖が、背筋を駆けていった。

でも……

『あのさ……

それ、いいよ。

やっても』

『今のわたしは、しっかりと氣を払えるだけの注意力を持っていない。
だから、きっとまた、あなたにぶつかってしまう。

その度に脅されるのは嫌だし、それでもわたしはやらかすだろうから、
だったら、怯えて過ごすよりも、早めに実行してくれた方が、こちらとしてもラクだから』

『ただ……
一つ心残りなのは、あなたがその宣言をいまここ、周りに人がいるところでおこなってしまったことだな。

後日それが出回ったとき、実行犯があなただということも一緒に広まってしまう。
本来あなたは、そんなことをする人ではないのに』

……と、伝えようとしたところで目が覚めたので
反応は残念ながら見られなかったのですが……

脅してきた彼女は実在の人物で、
そんなことをするとは本当に思えない小学校の同級生でした。

そんな人をそこまで怒らせるとか、
なにやらかしたんよ夢のわたし :(^ཀ^):

ぶつかっただけとちゃうんやないか……
なんかこう、いろいろやらかしてたんやないか
というかどんだけぶつかってたんだ :(^ཀ^):

『やったこと以上を謝る氣はない、怒られるいわれもない』

という姿勢が悪いとは思わんけど、

やらかし次第では…… 謝れ……

反省しろ……

そして口答えすんなwww

過剰に詫びろwww
それは過剰じゃないwww

夢の中のわたしには
彼女をそこまで追いつめた言動の記憶がなかったので

『そこまで怒りを向けられるいわれはない、
こちらの過失に対して過剰な攻撃だ』

と思ったけど、

経緯次第ではそう過剰でもない :(^ཀ^):

自覚がないだけで
ヒドいことしてる可能性ってのは…………
ぜんぜんある……から…………

記憶がねーから判定できないよ!!

夢の中のわたしはマジ、
何をやってそこまで相手を怒らせたんだろうか……

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