現在、Webエンジニアを生業として生活しています。
後進の指導を正式に担当した事はないのですが、所属組織の人数が少なかったり「社内で数少ないPC詳しい人」「社内で唯一Webに強い人」のような立場にいたりした関係上、人に教える機会は多かった方じゃないかなーと自負しています。
(もちろん、本当の教育担当さんには足元にも及びませぬが!自分の仕事しながら人の育成カリキュラム組むのって大変だよね)
質問もらって一番嬉しくなるのが「相手がアハ体験してくれた瞬間」であります!
説明中、最初は「ふーん へーー ほーーー」的なぼんやりした反応をもらいます。決して聞き流してるとか不真面目なわけじゃなくて、分からないから。上辺の反応しかできないのですね。
それが、ある瞬間に「ピキーーーΣ(゚д゚)ーーーン!!!」って来る。目からうろこが落ちたのがコチラにも伝わってくる。ウォーーーーーータアアアァァァァァ!!!!! (ヘレン・ケラー)
ものすごく手応えを感じる瞬間です!
「分かりやすい」「教え方がうまい」などの評価もちょくちょくいただけて、私はといえばすっかりデヘヘヘとなっておりました。
そんなお調子に乗ってた私でありますが。
教えても教えてもまっっっっったく進歩につながらない、絶望度裏ラスボス級な相手に一度、遭ってしまった事があるのです。
なお、以下は記事の終わりまで愚痴です。飛ばしたい方は後編へ移動だ!
それでも読むなら下記をどうぞ。
分からなければ、100回でも500回でも同じことを教えるつもりはありました。
けど……けどな…………
ホンッッとに同じ事を何度も説明するって、こんなに心が折れるのか!!!
って事がすごくよく分かってしまったのでした…………
いやね…………
なんだろ。
「同じことを何度も聞かれる」のは実際、いいんですよ。別に。
今まで知らなかった事を一度で覚えられるわけねーだろ、ぐらいに私は思っています。
「メモを取れ」論もありますが、やり取りの全てを記録するなんて現実的ではないです。となると細かい部分の取りこぼしが絶対に発生する。何をメモして何をそらで覚えるのが適切か? という判断は、ある程度反復&失敗しないとつけにくいものです。
(私の勝手な信念であって、教える人みんなもそうして! とは思わないです)
もちろん人生の中では1回で覚えなきゃいけない場面もあるけど、私が教えてる範囲ではそんなことなかったですからね。
……というのが私の考え方なので、同じ質問が何度かあっても都度説明をするのはそんなに嫌じゃないのですが。
結構みなさん、質問を持ち込む際に「……この前も聞いたことで申し訳ないんですが」って前置きをされたり、話の途中で「あー!この前教えてもらってたやつ……!」って思いだしたりするんですよ。
詳細は忘れちゃっても、なんとなくの全体像と、教えてもらったという事実、はしっかり覚えている。
「メニューは覚えてないけど、ここのレストラン来たことある!」みたいな感覚。
しかし。
裏ラスボス氏には、そのへんの記憶から一切なかった。
だめだ…………あかん…………
この先、技術だけじゃなくて不明点の調べ方とか、設計思想アレコレとか、効率的な手段とか、アレとかコレとか、 いろいろ吹き込みたい事があるのにー!その入口となる技術の時点で全然話が進まない!! てかさらにソレ以前のPC操作すらちょっとあぶないぞ?
PCの基本操作も含めてこの前説明したやんけええぇぇぇ あの「へぇすごい!」はウソかだましか適当か!! あんだけ感動しといて一切思い出さないとかあるかあぁぁぁぁちきせう騙されたああぁぁぁぁ
“騙された” で思い出した。
一番痛手だったのが、ちょくちょく張られる罠でした。
「分かりました」「がんばります!」という言葉に何度騙され振り回されたか知れない。
口ではやる気のあること言うんですよ。
「Web製作を覚えたい!」って言うんですよ。
“口では”と書きましたが、実際心からそう思ってるのも伝わってきました。すごく真面目で頑張り屋さんな良い方なのですよ。
だから、訓練が難航しても「やりたい」という言葉を信じて精一杯教えるわけです。いつか芽が出るという前提で。芽が出やすくなるにはどう接するのがよいだろう?などを、一生懸命考えながら。
そんなふうに精一杯教えたあとで「ここまでいいですか?」聞くんですよ
「わかりました」言うんですよ。
分かってないんですよ。
つぎにすすめない!!
あのね。
覚えがよろしくないのは別にいいの
でも
ホントは覚えられない (≒覚える気がない) ことを
「やる気あります!覚えたいです!」って
自分を騙して人まで騙す のは
勘弁してくれええぇぇぇぇ!!!!!
もちろん「わかりました!(わかってない)」も
だめええぇぇぇぇ
「自分を騙して」ってとこが厄介なんだよね!!
騙して、っていうか、本人も分かってないんですけどね!
「覚えたい」っていうのは本心なんですよ!ウソではない。
でも「覚えたい」わけではない。できればやりたくない。
何を言っているのか分からねーと思うが
補完するとこういうことです。
○「みんなの役に立ちたい。そのために技術を覚えたい」
×「その技術が興味深いから、好きだから、面白そうだから、覚えたい」
下線の部分が目的であります。
きっと裏ラスボス氏には、後者の思いが一切なかったんや……
私は、口で何を言っているかではなく「何を教わったかすら覚えてない」方を重視するべきだったんや:*・゚ ゚.+° ゚+.゚ *+:。.。 。.。
教えてる当時はそこまで理解してなかったから、『この人の「分かりました」は逐次確認の必要がある』とだけ認識しました。
なので、純真極まりない「わかりました!」の次に
「よし、じゃあここまでの操作を1人でやってみてください、見守ってます」ってするのですが……、
途端に挙動不審になるとです…………
「こう……ですかね? (チラッ」
「えーと……なんでしたっけ……? (チラッ チラッ」
うおおおぉぉぉぉ
こっちの様子伺いに入ったあああぁぁぁぁ
「合ってます」って言うとものすごくホッとして「ですよね!」って操作続行。
「そこは……そうじゃないな……」など指摘すると「えーとえーと」を延々と繰り返す。いくら待っても思い出されることはないので、仕方なく説明し直す。と、「そうですよね!」ってさも「ええ分かってましたとも!」風を装いながら操作続行。
ちっきしょおおぉ
あーたの「ですよね!」は金輪際信用しないからなああぁぁぁぁ!!!!!!
ちきひょおおおォォォォ
はぁ はぁ
はぁ…………。
これでは、ただ手を動かしているだけで終わってしまう……。今この人がやっているのは「相手の反応から成否を探る仕事」であって、「学習」ではない。
断じて、ない。
かといって、「ここまで1人でやってみてください」と言い残して立ち去れば、1ミリも進まず無駄な時間を過ごすことが分かりきっている。
いや進まないだけならいいんだけど、「どうしようどうしよう」て気持ちが追いつめられた挙句に余計な事してデータ飛ばす可能性とかある。あかん。
はぁ…………
まぁ………………
共感できなくはないですけどね……
やりたくない事も仕事だからと「やります!」って手を上げなきゃいけない (ような気がする) ことも、
そのやる気は嘘じゃないって自分へ言い聞かせて、やがて本当だと思い込んでしまうことも。
でも実際向き合うと苦手分野すぎて脳が拒否することだって
間違えることが怖くて相手の顔色を伺ってしまう気持ちだって ねぇ……
共感できなくはないのだが……
現実問題……どう手を打てばいいのかわからないよ……
ちがう言葉で説明したり。図を使ったり。
抽象的な説明や大枠の流れから理解するのは苦手なのかな?って、具体的な内容や細部の説明に特化して伝えた事もあった。
言葉数を増やしもした。減らしもした。
もちろん、他に試せる事はいくらでもあるのだし、相手に合わせるのが充分だったとも言えないしで、私の力が及ばなかったと指摘されればそれまでなのだが……
けど私が何を試したって、
教えてる瞬間は心閉ざしてるのが伝わってくるんだもの。「聞きたくない聞きたくないやりたくない知らない知らない」って言外の叫び声あげてるし、耳に入った音声が言語として認識されていないのを感じるんだもの。
どこまで努力したらいいんだよ。
…こっちだっていい加減イヤになるよー……。
今までに教えた人たちはこんなことなかったのに。
いやもちろん人と比べてどうこう言うのってダメなんですが。
だけどさ比べたくもなるよ…「PC触ったことほとんどないです」って人だって、半年後には戦力になってた、って、言いたくもなるんだ………… (その人の場合は、私だけがフォローしたわけではないけど)
教える役目を放棄したい。
しかし本人が「覚えたい!」と主張しており、その希望が受け入れられている。
そして現状、この役目に立てるのが私しかいない。
なのに、私の力ではどう対処することもできない。
相手が……やる気をアピールするために心を殺すのと同じだけ、私も教えるために心を殺さねばならぬという、悪循環……
不毛ッ…………不毛すぎるッ…………
(しかも、隣の席の人が繊細なタイプで「横でゴチャゴチャ長話されると気が散る」とイライラオーラを投げてくるオマケ付き☆という、ね! 直接文句言ってはこないから謝ることもできないという ね! だけど早く切り上げようにも学習が全然進まないという…… ね!!! |||!!orz カミサマワタシガナニヲ シタトイウンダ…)
ふはー 言いたいこと言い切った。読んでる方もお疲れさまでした!
ここまでを3行にまとめます。
💕 致命的に覚えられない人あ・る・あ・る❤ 💕
- 教えられてる間脳が停止している
- 「やる気ある」と自分を騙して他人を騙す
- 教えてる側が、手応えのなさすぎる絶望感に病む
もし
「自分が教えてる人もこんな感じ……!
もうどうしたらいいの!!」
とご共感くださる方がいらしましたら
対処法ないです。諦めましょう💖💕
って声を大にして言いたいです。
この話に出てくる裏ラスボス氏。
その後かなりの飛躍を遂げるのですが、すがすがしいほど私の教育や努力とは関係ないです。うん。ホント。ホントにやる気がないことはさ。やる気というか適性が。ないことはさ。教育でなんとかするのあきらめるしかない。やめようぜ?マジで。うん。ホント。生産性ゼロだから。むしろ、マイナスだよね。教えてる側の。モチベも。著しく下げるから。
まさか愚痴だけで4000文字に到達するなんて予想だにしなかったよ!「能力があるなら」ってタイトルに沿う内容が1文字もないやんけー! と思いながら
後編に続く。