アホすぎて詐欺を回避した話

いもうと
……ということがあってさ、
詐欺ではないと思うんだけど
あに
詐欺だよおおぉぉぉぉ!!!

 



その頃わたしは、新宿西口から続くビル群の一角でアルバイトをしていました。

ある日の夕方、いつものように仕事を終え、いつものようにビルの出口から駅に向かって歩き始めたところ、背の小さな若い女性に声をかけられました。

「手相の勉強をしているのですが、見せてくれませんか?」

自分自身でも少しは手相の知識があるので、
どんなことを言ってもらえるのか興味があり
二つ返事でおねがいしましたわたくし。

その割には何を言われたのかまったく覚えていないのですがw
とりあえず褒めちぎられていたような……
「すごい!」とか「あなたは特別だ!」みたいな。

そうやってしばらく見てもらったのちに、
こういうワードが出てきたわけです。

「あなたのような特別な人は、
是非うちの先生に見てもらってほしい」

「すごい先生だから普段は予約が取れない、
でも弟子である自分の口添えがあればなんとか案内できる」

「この機会を逃さないでほしい」

そんなこと言われたら嬉しくて舞い上がっちゃうわたくしw、
興味は (ひじょおに) あったのですが……

『そんなにすごい先生の貴重な機会を、
わたしがいただくわけにはいかない』

なんてことを、言い始めましたw

『わたしは自分の人生に目標もなく、何かに打ち込んでいるわけでもない。
何をやりたいのかも、自分の事すらよく分かっていない。
そんなぼんやりした人間に、予約でいっぱいの先生の貴重な時間を費やすのは、もったいない』

『そうだ、わたしの代わりに、兄を見てやってくれませんか。
わたしの兄は目標に打ち込んでいて、仕事も懸命にやっていて、人にもよく好かれます。
こういう人こそ機会を使うべきですから、是非』

相手さんは

「これはあなたのチャンスだから、他の人は使えない」

と、返してきましたが……。

『そこをなんとか。
そうだ、連絡先を教えてください。
どちらにしても一度兄と相談したいので、話がまとまってからご連絡します』

「連絡先は教えられないし、
この話は他の人に教えたらダメです」

『なぜですか』

「先生に会うと決める前には連絡先を明かせないことになっているので……。
また、この話を人にすると、その人に良くないことが起こってしまうので」

ちょっとうろ覚えだけど、だいたいそんなことを言われたような。
「連絡先を明かせない」も、追求すると「不幸云々」とかなんとか、言っていたような いないような……

今思うとツッコみどころ満載というか
自分でも『詐欺だよおおぉぉぉぉ』なのですがwww

当時(19歳)、今よりも更にド阿呆だったから
すっかり信じきっていましてですね……
お恥ずかしいwww

そんな騙され放題のわたくし、
次の返しが無駄にっょぃwwwww

『兄については大丈夫です。
すでにあちらから大事に巻き込まれているので、
わたしが巻き込み返してもお互い様なので問題ありません
わたしが使うにしても兄へ譲るにしても一度報告と相談はしたいので、今この場で決めることはできません』

兄貴巻き込む気満々www
ためらうことなく死なば諸共www

で、あとはこれらの内容で

『連絡先をください、兄へ譲らせてください』
「それはできません」

を、繰り返していました。

おねいさんはたまに

「今回のチャンスはなかったということでいいんですか?」

と言うのですが、

その度にわたしが

『それは……!!
んんんんんんんん
それは嫌です!!』

と返すので
話はいつまでも終わりませんでしたwww

途中でおねいさんの弟子仲間であるもう一人のおねいさんも加わって、
しかしお互いに主張する内容は変わらないまま、押し問答は続いたのですがw

それで経ったのが30分だったのか2時間だったのかは忘れましたがw
結局、根負けしたおねいさんが
「じゃあ、ここに……」って
連絡先のメモを渡してくれたのでしたw

わたしは(たぶん)満面の笑みで『ありがとうございます!』って受け取って、

ついでにあまりにも嬉しかったので
『そうだこの飴どうぞ!』って
持ち歩いてたお気に入りのミルク飴をおねいさんにあげたのでしたw

でも残りが1個しかなかったので、後から来たおねいさんの分は足りませんでした……

そのことを謝って、わたしは二人と別れて帰路についたのでした。

 

……で、帰宅して即、兄貴に共有。
不幸? 巻き込まれとけ!

いもうと
……ということがあってさ
あに
それ詐欺だよおおぉぉぉぉ!!!
いもうと
詐欺かなあ、
詐欺じゃないと思うんだけどなあ
あに
いやどう聞いても詐欺だよそれ

 

wwwww

おねいさんから悪い感じはしなかったんだけどな……

と思いつつ、なんだか面倒くさくなってきたわたしは
結局、おねいさんに連絡することはありませんでした。

だけどそれでも
あのときのご縁が何となく嬉しくて、
連絡先のメモは幾度もの断捨離の際にも捨てることができず
他の名刺たちと一緒に長い間大切に保管していたのでしたw

(結局は捨ててしまったのですが……
それは「このまま死んでもいいように」レベルの断捨離時だったので、そこまでのことがなければ一生とっといてたと思いますw)

 

そんな感じで
わたし側ではなぜかいい思い出になっているこの件なのですがw

おねいさん視点を想像すると
とんでもねー面倒な思い出である気がしなくもないwww

おねいさん自身に詐欺(等)へ加担する意図はなかったんじゃないかなとは今でも思っているのですが、
とはいえチョロそう (話しかけやすそう) と思ってわたしを選んだのはあると思うのでw

全面信頼&興味バリバリで
トントン拍子に連れていけるかと思いきや、
とんだくたびれ儲けが引っかかってしまったもんじゃのうwww
わらたw

そしてアレですね、
人生は大先生に観てもらう機会もいいけど
地獄へも巻き添えにできるほどの
信頼を置ける仲間がいることの方が、
よっぽど重要であり、幸運でありますな…………

 

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