- 話の発端
「本当に大切なものは目に見えない」ってどういう意味?
『そうだね。
たとえば、
「長男くんはママのことが大好き」、
「ママは長男くんのことが大好き」、って意味だよ。
長男くんは、ママのこと好き?』
「うん。
マチコちゃんもすき」
※マチコちゃん…話の発端にあるマンガを描かれた方。
ママさんの妹さん。
この子から見て伯母にあたる。
『うんうん。
ママも、マチコちゃんも、きっとその事を知ってるね。
でもね、長男くんがママたちを好きな気持ちは、目には見えてないんだよ』
「こんなにあるのに」
『うん。
すごくあって、見えなくても分かるんだけど、
でも、見えないんだよ。
人の気持ちはとても大切なものでね、
特に、好きな気持ち、大好きな気持ちは本当に本当に、とても大切なものなんだよ。
でも、目には見えない。
どんなにたくさんあっても、あるって分かってても、見えない。
それが、「大切なものは目に見えない」の一部なんだよ。
ここまではなんとなく、分かったかな?』
「うん」
『うん。
でね、この、大好きの気持ちみたいに、
この世界には、見えないんだけど確かにあるものがたくさん流れていて、世界を支えているんだよ。
見えないからほとんどの人には分からないんだけど、これらがもしもなくなったら、世界は崩れてしまうのね。
ありえないんだけど、
もしも、長男くんがママのことを好きじゃなくなったら、もうママと仲良くするのは難しくなってしまうよね。
そんな感じで、見えないんだけど、失うと困ってしまう、とても大切なものが、たくさんたくさんあるんだよ。
見える大切なものもたくさんあるけど、
見えるものは、見えるから、大切にしやすいのね。
でも、見えないものは、見えないから、
大切なのに気づかなかったり、
大切なのに忘れちゃったり、
大切なのに勘違いしちゃったりするの。
だから、見える大切なもの以上に、注意しないといけない、本当に大切にしないといけない。
……これが、
「本当に大切なものは目に見えない」の全部だよ。
伝わったかな?』
「うん、わかった。ありがとう」