夢診断と神話

三神はユミルを解体し、血から海や川を、身体から大地を、骨から山を、歯と骨から岩石を、髪の毛から草花を、睫毛からミズガルズを囲う防壁を、頭蓋骨から天を造り、(中略)、脳髄から雲を造り、残りの腐った体に湧いた蛆に人型と知性を与えて妖精に変えた。

ユミル – Wikipedia

北欧神話の最初の方、創世の物語の一部です。
ユミルというのは原初の巨人。彼の身体から世界が作られたという話なので。

 

しかしコレ初めて読んだ時に思ったんですけど

 

お前は何を言っているんだ

 

想像力ついて行きませんて!

「血から海や川を」ぐらいはなんとかなったけど
(でも水じゃなくて真っ赤な血で満ちてたグロい)

なに!!「髪の毛から草花を」って!!
(髪の毛が揺らぐ草原に略 キモい)

「頭蓋骨から天を」なぞもはや無理!!!!

 

物理世界にどっぷり浸っておった私の想像力では
「えっ なにがどうなっちゃってんの頭こんぐらがる」以上の感想が出てこなかったでした。「蛆からできた妖精ばっちぃ」とかさ……。

貧しい発想に涙ちょちょ切れです。
だが似たような感想を持つ方が自分以外にもたくさんいるんだって……わたし……信じてる!

 

しかしですね。
後日、夢診断をするようになった時に思ったんですよ。

「あ、これは誰かの見た夢(みたいなもん)だったんだな」と。

北欧に限らず、世界中の神話すべてが。

 

夢って突拍子もないことたくさん起こりますよね。
変身したり、ありえない場所同士の繋がりを移動したり。
自分自身がそこにいることもあるし、神の視点?で情景を見ているだけのこともある。

起きている間に使っている現実の感覚では、受け止めるのがたいへん難しいです。

 

でも神話で起こってることって、まんまコレなんだろうなーと。
ギリシャ神話なら、全能神ゼウスがバンバン変身しますね。白鳥や牛になることもありますが、金の雨なんて無生物もあります(ってこの変身の目的ぜんぶ浮気じゃねーか非現実感と俗世感のギャップすごい)

 

人間の想像力が神話を生み出したのか、人々の潜在意識にたゆたう神話の素を人間がキャッチしたのか、それは分かりません。もしかしたら、この2つは同じ意味なのかもしれません。

夢、インスピレーション、イデア、アカシックレコード……なんかその辺りから。

たぶんみんな、その辺りを源として生まれてきたんだろうと思います。

受け取り方は夢以外にも、
散歩したりお風呂入ってたらふとアイデアが湧いてきたとか。
シャーマンが(薬や儀式の力を借りつつトランス状態で)受け取ったイメージだとか。
どれも半分(以上)ぼんやりとした状態、意識に支配されていない時にやってきますね。

 

そんなこんなで夢診断に慣れ親しんでいたら、自然と想像力も広がったのでしょうか。今では、「頭蓋骨から天を」も「脳髄から雲を」でさえなんとなく想像できるようになりました。

こう…………あ…………あれだ。

ふわーっとなってバーッと広がって空ができるんだよ!!

(想像力が追いついても表現の壁を超えられない)

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