人と季節との付き合いが、一方的になりすぎていないだろうか

ご質問

冬になると調子悪い

お返事

寒くなると体がこわばって動かしにくくなりますし、 お日様の出る時間が減って気持ちもふさぎ込んじゃう、 というのはよく言われますね。

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楽屋裏コメント

『なんもコメントしないのも寂しいかな』と思って
ちろっと適当なことを書くつもりが、
思いの外ガッツリガッツリになってしまいました

 

人の季節と自然の季節

わたしは、東京から、北海道へ引っ越してきた人なんですけれども……

お日様にあたらない生活はウツになりやすい、
病みやすいヤツァ北国へ引っ越すんじゃねぇと
そういう言説もあるくらいなのに
東京から北海道へ引っ越してきた
病みやすい人なんですけれどもwww

季節の移り変わりと自身の変化を穏やかに眺めていると、

雪が降り始めたり溶け始めたりする時期は
毎年だいたい決まっているのだなあ とか
お盆を過ぎるとクイッと気温が涼しくなる(ことが多い)のだなあ とか

正月を迎えて少しすると妙に葉物野菜を食べたくなるなあ とか
全く動きたがらない自分のはずが、春が近づくとわずかとはいえ活動したくなるのだなあ! とか

季節の変化と、それに思いの外自分の心身が影響を受けていることに気がついてびっくりしています。

関東にいた頃はただ、次にやることと明日の朝に追われるばかりで、
感覚をじっくり追うことなんてなかったので……

そして、季節の様子と過ごし方を記してくれている暦 (二十四節気七十二候) のすごさに感嘆するのでした。
とんでもねぇ知恵が詰まっている……!

昔の人と体の知恵

たとえば、
「春は苦味を皿に盛れ」っていう知恵がありまして。

これは、

「冬のための食事は体へ溜め込まれてゆく。
苦味のある春野菜は、春を迎えるにあたって余分になったそれらを、排出するように助けてくれる」

からだそうなのです。

その始まりのころにちょうど、春の七草粥を摂る習慣が用意されているというね。

まだまだ冬真っ盛りの1月(や2月)が春と呼ばれるのも、
体感では冬であっても、季節はすでに春へ向かい始めていることに昔の人々は気づいていたから、というのもあるのかもしれませんね。

そして、『だからわたしも、この時期に葉っぱが欲しくなるのかな』とか考えたりするわけです。

舌がオコチャマすぎて
味のクセが強い野菜は食べようという気にならないのですけれどもw
ならないながらに、体が季節に備えているのかなあと思うと感動しますね。
食べられるものが少ないのはあまり良くないことかもしれないけれど、その中からでも摂取できるものを教えてくれてるんだろうし。
自分の体もすげー!

季節が無視されてゆく、人間の暮らし

……そんなわけでね。

空調が整備され、照明が点けられ、
季節に、そして時間に関係なく、人間が活動できるように空間の環境は整えられているけれど……

季節に逆らって通年同じように活動することを目指すだけじゃなくて、
季節や、時間や、そして何より自分の体が教えてくれる微細な感覚にも、
人は従うべきなのではないか?

そう思っている次第です。

まあ、現状の人間社会の中では、難しいわけですが……

どうしても、「他に着いていく」「他を出し抜く」ということを、やっていかなければならないですからね……

季節だけでなくて、時間もそうですね。

太陽との付き合いがある暮らし

ちなみに、北国の日照時間が南よりも短いというのは実際にそうなのですが、
北海道に来てからむしろ、日を浴びる時間は増えたな、と思います。

北海道の街(道路)は広々としているので、
「近くの建物の影になって日が当たらない」ということが、あまりないのです。
わたしの見てきた住環境たちがたまたまそうだったという可能性もあるのですが、「東京ほどギュウギュウしていない」ということなら、間違いなく述べられます。

そのため、家に引きこもっているわたしでも
日向ぼっこがしやすかったり、
直射日光が当たらないまでも自然光だけで家の中がいつも明るかったりと、太陽とはお近づきになれた気がしますね。

日が落ちてからの照明をほとんど使わないこともあってか、
日が落ちるとすぐに眠くなり、朝は日の出かその少し前くらいに目が覚めます。

たまに何時間も昼寝したり、
逆に何時間も夜更かししたり、
夜中に起きて活動したり……等もしていますが、
寝坊をすることもありますが、
数日以内には元のペースへ戻ることができます。

ずっと宵っ張り体質だと思っていたのですが……
実は生活環境(および習慣)のせいだったのでは……?
そう、疑っています……。

(太陽や照明との付き合いだけでなく、一般的な労働はわたしにとって負荷が高すぎた、というのもあると思ってますが……)

そんな感じなので、やっぱり、

『季節と、時間と、
そして自分の体が教えてくれることへ、
人々はもっと耳を傾けていくべきなのでは……』

と、思うのですが……

一方的に、
「季節がつらい」ってやられっぱなしになったり
「季節をねじ伏せてやる」って、思い通りにするんじゃなくてね。

でも……

現状の人間社会の中では、難しいですね……

各々のペースに近づいた暮らしができるように願っている

わたしが今静かに自分のペースを保って暮らしていられるのは
いわゆる一般的な労働をせず好きに過ごせる環境があるからで、
労働の世界へ戻ったら、こんなん無理ですって……

睡眠サイクルは崩れ、常に寝不足状態となり、カバーするために食生活やその他のことも狂っていき、なし崩し的に全部壊れていくのだろうなと思います。

思いますというかそんな感じだったというか
オラもうあんな人生いやだ

だけど、今、
そういう人生を送っておられる方もいらっしゃるわけで……

オラ、自分がそういう人生送るのも嫌だけど、自分じゃない人がそういう人生送るのもいやだァ

できるんならね、やればいいんですよ
やっていいんですよ
「各々のペース」というのは、「早い人には早いペースを」というのも含みますから

でも、無理して着いてって
苦しんで苦しんで毎日がギリギリで薬飲んだりもして

それを「できてるじゃん」とか
「みんなやってる、当たり前」「がんばれよ」「自己責任」って、

そんなふうに言われちゃうのは、いやだよ

だから、そういう人生や社会を抜け出すために、
『もっと耳を傾けていくべきなのでは』
って、

冬の季節の活動は
最低限+@くらいに留めるべきでしょ って、

本当に思うわけなんだけれど…………

現状の人間社会の中では、難しいですね……

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