思春期の娘のためにどう振る舞えば良いのか

ご質問

デリカシーのある父親になるためにはどうすればいいのでしょうか?
私は45歳の課長です。私には中学生の娘がおり、色々多感な時期になっています。このくらいの時期になると娘からデリカシーがないと批判されることが多くなりますので、私はかなり気をつけるようにしました。

今までは家ではジャージなどを履いてダラダラしていましたが、それではだらしがない父親と思われるため常在戦場の気持ちでモーニングコートを常に着用するようにしました。もちろん寝るときもです。またこれまでは憂さ晴らしをしたいときはストロングゼロを飲んでいましたが、これでは紳士らしくないと考えてジンを飲むようにしました。他にもリビングで寛いでいるときは英字新聞を読むように心がけたりしています。なお英字新聞に疲れたときは英語版の漫画を読んだりサブスクサービスでプレミアリーグの試合を見たりしています。また私は多感な時期に食事中に父親が話しかけてくるのが苦痛で仕方なかったので、その時の教訓を活かしてできるだけ一人で食事を摂るように心がけました。また臭いに気をつけるために家では大量の香水をつけるようにし、私の周りはラベンダーのいい香りがするようになりました。娘との会話に関してはどうやっても地雷を踏みそうな気がしましたので、出来る限り薄っぺらく中身のないような会話をするように心がけました。

しかし自分が本当にデリカシーのある父親になれているかどうが心配です。なので聞きたいのですが、他に気をつける点などはあるのでしょうか?ご回答のほどよろしくお願いします。返信待っています。

※この質問は保持期間を過ぎているため、peingでは閲覧できません。

お返事

わーーー素敵なお父さんですね!
「多感な娘の居心地が良いように、振る舞いを正したい」だなんて、本当に素晴らしい心がけだなと思います。

しかし悲しいかな、物事というのはバランスです。
努力の内容を拝見していたら、
「緊張感ありすぎて、側にいたら息苦しいかもなあ……」なんて、少し思ってしまいました。
お家では、リラックスして過ごしたいものですから…… (ご自身もそうであるのに、それを犠牲にして頑張ってくださるご姿勢は、本当に尊敬なのですが)

でも、最終的には人それぞれです。
その環境に馴染む人もいれば、そうでない人もいます。
なので、
「多感な君が嫌な思いをしないように気をつけたいと、お父さんは思っている。
『こうして欲しい』という希望はあるだろうか?
『これは嫌だ』というのも、あるなら教えて欲しい。
今はなくても、何か出てきたら言ってほしい」
というようなことを、
直接聞いてみちゃうのがいいんじゃないでしょうか。

それも単発じゃなく、しつこくなく、
一緒に生活しているという、協力体制と日常的な会話の中で。さりげなく。

ウザい父親がしつこくしてきたら確かに嫌ですけど(笑)
素敵なお父さんに距離を置かれたら、それはそれで悲しいかもしれないですから。

父親の思う正解をなぞるのではなく、娘さんが本当に思っていることを、ぜひ確認してあげてください。

隙のない父親よりも
「お父さん仕事ではがんばってビシッとしてるから、家ではちょっとだらだらしてもいい?
目に余ったら、言ってくれれば気をつけるから……」って気軽に相談してくれるお父さんとか、

英語のコンテンツに熱心な父親よりも
お気に入りの漫画を一緒に読んで感想を話し合えるお父さんの方が喜ばれるとか、
あるかもしれないですよ😄

ちなみになんですが、わたしが高校生くらいの頃、
「風呂上がりにパンツ一丁で家の中をウロウロする父親をウザがる娘の話」を
テレビでやってたんですね。

……で、見て、娘であるわたしは
「ウワーーー 嫌だわーーー」
……と、思いました。

しかし数ヶ月後、気づいてしまったのです。

「うちの父さん、風呂上がりにパンツ一丁で家の中をウロウロしとるやんけ!!!」

なんで気づかないんだおかしいだろ!!ってクラクラしたのですが (笑)
わたしの父は筋トレが日課で引き締まった体をしており、内面もストイックで、下着もオシャレなものを好んだため、
テレビの再現VTRに出てきたお父さんのようなだらしなさ、見苦しさというのが、なかったんですね。

パンツ一丁ウロウロという
娘に嫌がられるトップクラスであろう振る舞いでも、問題ない (ことがある) のですから、
お父さんの良し悪しは表面の振る舞いだけでは決まらないのだな、と思います。

がんばってかっこ良く振る舞うお父さんは確かに素晴らしいのですが、
家族それぞれが好きに過ごしつつ、関わり合いはコミュニケーションを取りながら決めていく……、
 「誰かの一方的な提供ではなく、
  協力しながら一緒に作っていく」
という方が、さらに幸せに近いんじゃないかな?
って、思っています。
(確認し合った結果前者が良いならそれもまた良し、で)

ご質問者さんも、娘さんも、他のご家族がいらっしゃるならその方たちも、
みんなが安心して過ごせる、素敵なお家になりますように。

ご質問者さんはそれをできる方のはずですから、
心ばかりではございますが、応援しております!

楽屋裏コメント

この問いから得られる教訓は、大きく2つあります。

①恐怖を元に方針を定めると、適切な道が見えなくなる

②人間関係の正解を一人で決めない、突っ走らない。
協力するべき人がいるなら、協力と協調を。

①恐怖を元に方針を定めると、適切な道が見えなくなる

多感な時期に食事中に父親が話しかけてくるのが苦痛で仕方なかったので、その時の教訓を活かしてできるだけ一人で食事を摂るように心がけました。

「苦痛で仕方なかったので」「その時の教訓を活かして」

人様のお話を伺っておりますと、

「かつてこれで嫌な思いをしたから、
そうならないような心がけをしている」

という話も出てきます。

しかし、この心がけは意外なことに、
間違った道へつながっていたりもするのです。

それこそ、
不快な体臭を恐れるあまり、大量の香水をつけてしまうようなね。

香水に「過ぎたるは及ばざるが如し」を感じたことのある人はきっと多いことでしょう。
ほんのり香る程度が良いのです。
もしくは無臭。

香水の加減や選択が適切であるか、穏やかな氣持ち(と正常な鼻w)なら当たり前に判断していけるのですが、
ここに恐れがあると、一氣に分からなくなります。

「こうしなければならない!」という思い込みにとらわれてしまい、
「さもないと……」という脅しの声なき声が聞こえ、
緊張でそれ以外の情報が入ってこなくなり、
恐れに囚われない正常な判断ができなくなります。

「さもないと」という脅しは、たいてい幻なんですよね。
打ち破ってみると、恐れていたことは起こらなかったりします。

不快な体臭は、そりゃ無い方がいいんですが、

実際には自分で思っているほどひどくなかったり、
多少なら許容してもらえたり、
対処は必要だけど、自分のしてきたことだとやり過ぎだったとか的外れだったとか、

恐れが外れると、様々なことが分かるようになってきます。

そのうちのひとつは

「必要なのは香水 (臭いを隠すための強い香り)ではなく
臭いで人に不快な思いをさせないことだ」

であるはずで、

もっと言えば「娘と良い関係を築くこと」のはずなんです。

そう、これも、
「デリカシーのある父親になること」ではなく
「娘に不快な思いをさせないこと、
 嫌われないこと」でもなく

娘と良い関係を築くこと」なんです。

伝わりますかね。

恐怖に追い立てられた目標設定ではなく、
幸福へと繋がっている目標設定を。

しかし、「さもないと」の呪縛を解くのは、とても難しいんですよね。
本当に必要だった時期も実際にあったはずなので、なおさらです。

必要としていた時期が終わり、
放っておいても問題なかった時期も過ぎて、
人生の駒を進めるためにはいよいよ邪魔になってきた頃、
問題や不快感情として顕在化し、解消を促すようになります。

②人間関係の正解を一人で決めない、突っ走らない。
協力するべき人がいるなら、協力と協調を。

私には中学生の娘がおり、(中略) このくらいの時期になると娘からデリカシーがないと批判されることが多くなりますので、私はかなり気をつけるようにしました。

「批判されることが多くなりますので」

いやまだ批判されてないんかい!! (ツッコミ)

結局は「恐れで盲目に」な①の話に集約されていきますし回答にも書いたのですが、
「一方的ではなく、一緒に」がいいと、思うんですよね。

先回りの姿勢自体は素晴らしいと思いますが、
娘さんが氣にしてないことを頑張ってたら、
そして本当に協力してほしいところが見えていなかったら、
頑張り損ですから。



回答もこの記事の補足(?)も結構がんばって書いたのですが、
……この質問、釣りかなあって氣もする……
ちょっと極端が過ぎるのと、引っかかるところもあって。

それならそれでいいんだ。
この質問が嘘であっても、この問いに対するわたしの回答がまったくのムダになるということはないと思うので……
知恵を絞るのはね、楽しいからね。
極端だからこそ分かりやすくなることもね、あるからね。

ただね。
悩んでる人の力になれたら嬉しいなあって氣持ちもないではないのでね。
こちらの誠意が意図しない遊びに消費されてしまったのだとしたら、ちょっと悲しいなあって、
そういう氣持ちも、あるんだよね。
はぁ。

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