インコに悪い言葉を教える

 

「人間に戻して」wwwwwww

 

!?
そうなの!!?

「器物損壊」はその物の効用を害する一切の行為を言います。
ですから物理的な損壊に限らず、心理的に使用できなくしたり、
その物の価値を低下させるのも損壊とみなされます。

例えばオウムが下品な言葉を覚えてしまうと他人の前に出せないし、
飼い主も以前のようには愛情を感じられなくなるかもしれません。
もしオウムが売り物なら、少なくとも以前の値段では売れないでしょう。
そういう言葉を意図的に覚えさせたのなら、器物損壊成立と考えます。
(その認定が難しい、という点は確かにその通りでしょうが。)

実際に器物損壊で有罪になった面白い判例として、
「飲食店の食器に放尿した」事件があります。
この食器は、洗ってももう客に出すわけにはいきません。
経済的効用はゼロになったのです。

(中略)

もし動物園が苦労して輸入した珍しいオウムに
公開に耐えないような言葉を教え込んだ場合、
賠償額は何百万円級になる可能性もあるでしょう。


なるほど

でも…………

「人間に戻して」は…………

ちょっと…………
教えてみたいな…………!!

ニンゲンニモドシテ

ニンゲンニモドシテ!!!

(他所様のインコへは近づかないようにします)



そんな事を考えていたら
思い出した話があります。
真面目な内容です。

昔、低知能により養護学校へ通っていた男の子が
職業訓練でどこかの現場に短期で働きに出ました。

「知能が低い障碍者」と聞くと、暴力を連想する方もいるかもしれないけれど、
実際には暴力を振るうかどうかはその子の性質やストレスや教育によるところが大きいのね。

その子は癇癪を起こすこともなく、きちんとしていて素直だから、人とうまくやっていくことになんの問題もありませんでした。

だけど、職業訓練から帰ってきた彼は、
楽しそうに蔑称や下品な単語を連発するようになっていたのだそうです。

周りは不愉快になるんだけど、本人は自分の発している言葉が人を不愉快にするものだとは理解していない。
理解できるほどの知能はない。
職業訓練前と同じ、素直で明るい性格のまま、言葉だけが汚染されている。

意味を分からないまま楽しそうに繰り返すから、
誰かが面白がって教えたんだろうね、
という話でした。

これは何の罪になるんだろう。
罪になるんだろうか。

人間に悪い言葉を教えても罪にならないのは、
人間に「言葉の意味を理解し、使うか使わないかを選ぶ自由」があるからですよね。

その知性の自由が彼にはないわけで。

オウムと同じだよね。

だけど人間だから、“器物”としては扱われない。
彼の人生がこのイタズラによって崩れてしまう可能性だってあるのに。

きっと彼は、周りが楽しそうにその言葉を投げかけてくるから「これを言うと楽しいんだな」って感化されて言うようになったんだと思うのです。

ひどいことをする人間がいたものですね。

ただ、なぁ……

想像するに、教えた方の知能もきっとそんなに高くないんですよね……
支援が必要ない (障碍認定されない) というだけで。

願わくば、オウム扱いされた彼が、
元の好かれやすい素行を取り戻すか、
取り戻せなくても周囲と共に快適に生きていける居場所を得られていますように。

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