雪にズボズボ沈みながら進む

てちてちした跡
この前見かけた黒にゃんかな……
さむいよ……! あったかくして……!!

 

足でっかい人おる!

 

うーん
埋まっとりますなあ

(埋まってない写真を並べようと思ったけど
撮ってなかった)

さすがにここを歩くのは無謀か……
と思いつつ
足跡があるってことは大丈夫なんでねーのと踏み込んだ

たまに足がズボボボボーーー沈んで
ブーツにギリギリ雪が入る……

足のサイズが小さめだから
体重かかりやすくてズボボボもしやすいと思う
氣をつけて進まなければ……

うん、でも、うん
あんまりズボズボしないぞ
へへへ 歩くの上手!
へへへ!!

と、雪原へ入ったはいいけど
抜けられるかなって後悔した

でも、でも、
だからこそ、だからこそだよぉ!

心が喜びで震えてしまったのに
踏み込まずにいられるものか
なんのための人生

『さすがにこの足もとでは人とすれ違うことはなかろう
この雪原を抜けられなかったらもう行き倒れるしか』
と思ったところで

視界に人影が…………!
猛者が……! 猛者がおる……!

『万一のときはあの人に助けを求めよう……』

『と思ったけどわたしが万一の事態になるようなら
あの人も一緒に埋まっとるんちゃうの』

とか思ったところでその人
一眼レフ?望遠レンズ付きのカメラ構え始めた
ウワーーーーー
めっちゃ猛者だ!
ガチ勢だ……!!!


わたしもつられて撮影撮影

木々の向こうが夕日に照らされている

 

一眼レフの人が、わたしが近づくのに配慮してカメラを下げてしまった

撮影方向をわたしが通るからだ

ああっイカン、陽の光っていうのはほんの少しの時間で表情を変えてしまうんだよ急がなきゃ!!
って焦って進むわたし
途端にズボズボ沈む足

『いやぁ キレイな夕日ですねぇ
(撮影の邪魔してすみませんです…へこへこ)』と声をかけたら

「(夕日???)」という感じで
「あそこにオジロワシがいるんですよ」と返してくれた

思わず『えっ!!!』とすっとんきょうな声を上げて木々の方へ振り向いてしまった

…………

『……みえない』

『あっすいませんモタモタしてたら行っちゃうかもしれませんよね (鳥が) お邪魔しました』
(そそくさ)
(ズボズボ)

そっか……そっか。

景色じゃなくて、鳥を撮影していたんだ……

わたしは、手近な鳥を撮ることはあるけど
あんなふうにしっかりと、遠くの鳥を撮影しようと思ったことはない

見えないから。

視力が足りないから。

もし今後、わたしの視力が回復することがあったら、
遠い距離の鳥たちも見つけられるようになったら、
わたしも鳥を撮ろうと思えるかな?

そしたらまた少し、世界が楽しいところになるのかな……!


 

呆然としていたらまたちょくちょくズボズボ沈む足
いかんいかんと集中し直すと沈まなくなる

…………集中によって、全然違うな……?

えっ そういうもんなの???

雪が柔らかいから足が沈むとか、
雪が踏み固められているから足が沈まずに済むとか、
そういうんちゃうん……!?

わたしが氣を張っていたら大丈夫で、
氣が逸れたり抜けたりしたらだめって、
そういう基準なの??

えっそういうもんなの…………?

えっ…………

なんか……なんかまた
世界の真理にひとつ近づいてしまったような氣がする…………

平常心ってこんなに重要なのか…………
人間社会はそんなもんなくても暮らしていけるように設計・整備されてるから全然氣付く機会がなかった

そうか…………


 

うーん いい
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誰かのつくった
かまくら!

 

誰かがつくりかけた
雪だるま

 

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